交付決定の取消し・返還請求・交付遅延・減額確定・自主返納の求め――
補助金適正化法や中小機構法に基づく法的分析と対応方針のご提案を行います。
初回相談無料・全国対応・オンライン可(案件の内容により対面でのご相談をお願いする場合があります)
事業再構築補助金をはじめとする中小機構が交付する補助金をめぐり、交付決定の取消し・返還請求・交付遅延・減額確定・自主返納の求めなど、さまざまな問題が生じています。
しかしながら、補助金適正化法17条1項が規定する取消事由は3類型に限定されており、中小機構が現在行っている運用には法的に問題があると考えられる点が少なくありません。根拠法条の記載の誤り、取消事由の不当な拡大、理由付記の不備、行政事件訴訟法46条1項に基づく教示義務の懈怠など、さまざまな問題が確認される事案があります。
補助金適正化法・中小機構法の条文、最高裁判例・調査官解説まで踏まえた法的分析に基づき、適切な対応方針をご提案します。「何かおかしい」と感じる対応をされた場合には、ぜひご相談ください。
補助金のトラブルには、いくつかの重要な法的論点があります。
補助金適正化法17条1項の取消事由は、①他用途使用、②補助条件違反、③法令違反の3類型に限られています。これらに該当しなければ、交付決定を取り消すことはできないものと解されます。中小機構が交付規程22条3号「その他不適当な行為」を用いて取消事由を拡大している運用には法的な問題があると考えられます。
中小機構が根拠法条の記載を誤り(適正化法17条1項ではなく交付規程22条1項と記載)、適正化法17条1項所定の取消事由に該当する事実を記載せずに取消しの理由を提示するなど、手続上の問題が確認される事案があります。行政事件訴訟法46条1項に基づく教示義務の懈怠が見られる場合もあります。
適正化法17条1項は「取り消すことができる」と規定しており、裁量処分です。是正措置(適正化法16条)で補助目的が達成可能な場合に全部取消し・全額返還を行うことは、比例原則に違反する裁量の逸脱濫用として違法と判断される可能性があります。
中小機構が直接交付する補助金(事業再構築・新事業進出等)は処分性があり取消訴訟で争えます。一方、事務局が交付主体の補助金(IT導入・ものづくり等)は処分性がありませんが、負担附贈与契約として法的に争う余地があります。
補助金の交付が2年、3年と遅延し、事業者の資金繰りに深刻な影響を与えるケースが生じています。中小機構法16条は補助金適正化法を全面的に準用し、「国の会計年度」を「中小機構の事業年度」と読み替えており、交付決定の翌年度4月30日が交付期限と解されます。
補助金の交付請求権は交付決定と同時に発生する債権です。交付期限を徒過した場合、行政事件訴訟法4条後段の実質的当事者訴訟による給付請求や国家賠償請求により、遅延損害金を含めた法的請求が可能です。中小機構本体への内容証明による督促も有効な手段です。
補助金適正化法15条の確定処分は、交付決定の内容と実績報告の客観的照合にすぎません(大津地判平成9年12月8日)。確定処分の段階で経費を否認することはできないものと解され、経費否認は適正化法17条1項の一部取消しという別途の手続が必要と考えられます。安易に減額した実績報告を行わないことが重要です。
中小機構・事務局による「自主返納」の求めは、典型的には「全額返還だが残存簿価で済ませる」という提案を伴い、財産処分申請・承認を経て一部返納に至るパターンです。法的には適正化法22条の財産処分承認とそれに付された附款(返納条件)の問題であり、取消事由に該当しない場合は応じる法的義務はないものと考えられます。
補助金適正化法22条は「交付目的に反して使用・譲渡・交換・貸付・担保に供すること」の5類型を制限していますが、「廃棄」は含まれていません。東京地判平成2年1月30日も解体撤去は22条違反に当たらないと判示しています。ただし、最三令和3年3月2日の調査官解説は廃棄も規制対象になり得るとの余地を示しており、慎重な対応が必要です。
補助金適正化法22条の「交付目的に反して」との要件は限定的に解すべきものと考えられ、事業譲渡により補助事業が継続されるのであれば交付目的に反しないと解される余地があります。交付規程26条1項の届出制に従い、事業継続性を確保しつつ事業譲渡を行うことで、取得財産の問題を解決できる可能性があります。
補助金の種類によって法的な位置づけが異なり、争い方が変わります。
中小機構が補助事業者に対して直接交付する補助金です。中小機構法15条1項6号に基づく業務として交付され、同法16条により補助金適正化法が全面的に準用されるため、法律上の根拠があり、処分性が認められます。交付決定の取消しに不服がある場合、取消訴訟(行政訴訟)で争うことができます。
※ 交付規程における交付決定の主語が「中小機構は」となっている補助金が該当します。
事務局が交付主体となる補助金です。交付規程に基づく負担附贈与契約であり、処分性がないため取消訴訟では争えません。ただし、契約上の負担(義務)となっていないことを理由とした取消し・返還請求は、そもそもそのような債務を負っていないことになり、民事上の観点から争う余地があります。
※ 交付規程における交付決定の主語が「事務局は」となっている補助金が該当します。
以下の補助金に関するトラブルに対応しています。
補助金適正化法17条1項所定の取消事由3類型の該当性を検討し、取消事由に該当しない場合は取消訴訟の提起を含めた法的対応をご提案します。中小機構による根拠法条の誤り、理由付記の不備、取消事由の不当な拡大等の違法性を主張します。
交付決定後、補助金の交付(支払い)が遅延しているケースに対応します。中小機構法16条に基づく交付期限の法的根拠を示し、中小機構本体への内容証明による督促、実質的当事者訴訟による給付請求・遅延損害金の請求等を行います。
補助金適正化法15条に基づく確定処分は、交付決定の内容と実績報告の客観的照合にすぎず(大津地判平成9年12月8日)、確定処分の段階で経費を否認することはできないものと解されます。経費否認は適正化法17条1項の一部取消しという別途手続が必要と考えられます。まだ減額確定を受けていない場合は安易に減額した実績報告をしないこと、既に不当な減額確定を受けた場合は取消訴訟で争うことが考えられます。
「全額返還だが残存簿価で済ませる」という提案から財産処分申請・承認を経て一部返納に至る典型パターンに対応します。法的には適正化法22条の承認と附款の問題です。中小機構・事務局との必要以上のやり取りが減額確定や自主返納への誘導につながるおそれがあるため、早期のご相談をお勧めします。既に返納してしまった場合も、取消処分後の取消訴訟・不当利得返還請求や、承認及び附款の取消訴訟により取り戻せる可能性があります。
補助金により取得した財産を既存事業と併用していることは、原則として適正化法17条1項の取消事由3類型のいずれにも該当しないものと考えられます。①補助金そのものを他の用途に充てたわけではなく(第1類型非該当)、②補助事業にも使用している以上、補助目的に沿った管理・使用がされており適正化法22条の「目的外使用」には当たらないと解され(第3類型非該当・最三令和3年3月2日調査官解説参照)、③交付規程にも交付決定通知書にも既存事業との併用を禁止する補助条件は附されていないのが通常です(第2類型非該当)。公募要領の記載は補助条件にはならないと考えられます。取消事由に該当しない以上、全額返還にも残存簿価相当額の返納にも応じる法的義務はないものと考えられ、既に返納した場合も取消訴訟により取り戻せる可能性があります。
補助金適正化法22条は使用・譲渡・交換・貸付・担保供与の5類型を制限していますが、「廃棄」は含まれていません。東京地判平成2年1月30日も解体撤去は22条違反に当たらないと判示しています。ただし、最三令和3年3月2日の調査官解説は廃棄も規制対象になり得る余地を示しており、リスク評価と対応方針のご提案を行います。リスク回避策として事業譲渡の活用もご検討いただけます。
補助金適正化法22条の「交付目的に反して」との要件は限定的に解すべきものと考えられ、事業譲渡により補助事業が継続されるのであれば交付目的に反しないと解される余地があります。交付規程26条1項の届出制に従い、事業継続性の確保、事業化状況報告の承継、債務承継の契約条項整備等の実務上の留意点を踏まえたスキームをご提案します。名古屋高判平成5年2月23日が示す17条1項の取消権行使との関係も整理します。
処分性のない補助金(IT導入補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金等)は負担附贈与契約であり、債務不履行解除の問題です。交付規程本文に規定がなくFAQにのみ記載されている事項は契約上の債務(負担)にはならないと考えられ、民法542条1項各号の解除事由に該当しない限り取消し・返還請求は根拠を欠くものと解されます。ものづくり補助金の賃上げ要件0.1%未達成で全額返還を求める運用についても、適正化法6条4項(必要な限度を超えた負担の禁止)の観点から争う余地があります。
行政事件訴訟法14条により、取消訴訟の出訴期間は処分を知った日から6ヶ月とされています。交付決定の取消処分を受けた方は、お早めにご相談ください。
まずはメールにてお問い合わせください。初回のご相談は無料です。
メールまたはオンラインで状況をお伺いします。交付決定通知書・取消通知・返還請求書等の関連書類がございましたらご準備ください。
交付決定通知書・公募要領・交付規程等を精査し、処分性の有無、取消事由の該当性、交付期限の徒過等を法的に分析します。
分析結果に基づき、取消訴訟・内容証明による督促・意見書作成等の対応方針をご提案します。費用についても事前にご説明したうえで、ご判断いただきます。
意見書の作成・内容証明の送付・取消訴訟の提起・給付請求等を実施します。進捗は随時ご報告いたします。
交付決定の取消し・返還請求・交付遅延・減額確定・自主返納――
初回のご相談は無料です。状況をお伺いしたうえで対応方針をご説明いたします。
全国対応・オンライン可(案件の内容により対面でのご相談をお願いする場合があります)