執筆 補助金に関する紛争・法律問題を主に取り扱う弁護士 岸上 大起(埼玉弁護士会・登録番号63780)
補助金や奨励金の制度は、永久不変のものではありません。公募要領が改訂される、交付規程が改正される、条例が廃止される。――そして、それまでの基準なら受けられたはずの補助金が受けられなくなる。この事態に遭った事業者から、「もう設備も発注した。これは争えないのか」というご相談をいただくことがあります。
本稿で取り上げる札幌高判昭和44年4月17日(行集20巻4号486頁)は、この問いに正面から答えた裁判例です。釧路市の工場誘致条例に基づく奨励金について、工場の増設を完了して助成申請書まで提出した会社が、その直後に市議会が増設分の奨励金を廃止する条例改正を議決したため、奨励金を受けられなくなった事案です。会社は、第一次的に奨励金そのものの支払を求め、第二次的に損害賠償を求めました。札幌高裁は、どちらも退けています。
退けた理由が重要です。まず、奨励金の交付請求権は、条例の基準に合う工場増設という事実が完了したことによって当然に発生するものではなく、市長の交付決定によってはじめて発生する――交付決定は「一種の設権的行為」である、としました。そして、条例が維持されるかぎり交付決定を受け得る地位にあったことは認めながら、その地位ないし期待は「事実上の期待に止まり未だ法的保護の対象となり得る地位にはあたらない」としたのです。10年間で70件の申請があって却下された例は一件もなかった、という争いのない事実を示されても、裁判所はそれを「なんら右の解釈を左右する根拠とはならない」と述べています。
もっとも、これで終わりではありません。この判決の約12年後、最高裁は、いわゆる宜野座村工場誘致事件(最三小判昭和56年1月27日民集35巻1号35頁)で、行政主体が「特定の者に対して右施策に適合する特定内容の活動をすることを促す個別的、具体的な勧告ないし勧誘」をしていた場合には、信義衡平の原則によってその信頼に法的保護が与えられなければならない、と判示しました。制度の変更そのものは自由でも、個別的・具体的な勧誘があったのに補償もせずに方針を変えたのであれば、不法行為責任を免れない――という組み立てです。
つまり、制度変更で補助金がもらえなくなったとき、争える道があるかどうかは、「自分には交付を受ける権利があったか」ではなく、「行政から、自分に向けて、個別的・具体的な勧誘があったか」で決まることになります。本稿では、札幌高判の説示を正文で確かめ、宜野座村事件の規範と突き合わせ、最近の下級審(高松高判令和6年4月25日、神戸地判令和3年8月31日)がこの規範をどう使っているかまでを見たうえで、今の補助金で同じ事態に遭ったときに何を集め、何を主張すべきかを整理します。
1 制度が変わって補助金がもらえない――何が問題になるのか
(1)二つの時点を分ける
はじめに、二つの時点を分けておきます。
一つは、交付決定を受けた後です。この段階では、交付決定という行政処分によって法律関係が成立しています。だから、交付済み・交付予定の補助金を取り上げるには、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(以下「補助金適正化法」といいます)17条による取消しなど、法が定めた仕組みを使うことになります。そして、この取消しには限界があります。この点は、補助金の交付決定は、どのようなときに取り消すことができるのかで扱っています。
もう一つは、交付決定を受ける前です。公募に応募した、採択された、交付申請をした、あるいは本稿の事案のように申請の要件を満たす事実行為を完了した。――しかし交付決定はまだ受けていない。この段階で制度が変わった場合に何が言えるのか。これが本稿の主題です。
この二つを混ぜると、議論が噛み合わなくなります。交付決定後の取消しの議論(取消事由は三類型に限られる、取消権の行使には限界がある)は、交付決定前の段階にそのまま持ち込めません。持ち込めないことを、札幌高判は正面から述べています。
(2)問いの立て方
今の補助金でも、同じ形の出来事は起きています。公募要領が回次ごとに改訂され、ある回次では認められていた経費が次の回次では認められなくなる。事務局の運用が変わり、これまで通っていた形の計画が通らなくなる。自治体の補助金では、条例や交付規程そのものが改正される。そして、事業者の側ではすでに支出が始まっている――見積りを取り、設計を進め、場合によっては発注している。公募要領に書かれた期限に間に合わせるには交付決定を待っていられない、という事情があるのも実情です。
そこで立てるべき問いは、三つです。その補助金を受ける権利が、すでに自分に発生していたのか。権利まではないとして、交付を受けられるという期待は法的に保護されるのか。制度変更そのものが違法でないとして、それによって生じた損害の賠償を求められるのか。
札幌高判は、はじめの二つに答えています。三つめの答えは、最高裁が12年後に示しました。
2 事案――工場を増設した直後に、奨励金の制度が廃止された
(1)釧路市工場誘致条例
釧路市は、昭和29年に釧路市工場誘致条例を制定し、その後4回にわたって改正しました(判決はこれを「旧条例」と呼んでいます)。3条で、工場の増設または新設があった場合に奨励金の交付等の助成を行うことが「できる」と定め、4条で、投資額5000万円を超えるものに交付することが「できる」とし、5条1項で、奨励金の額は当該年度に課された固定資産税の相当額に一定の割合を乗じて得た額の範囲内とし、期間は操業開始・固定資産税課税の年度から3年とします。7条で、交付を受けようとする者は事業開始の日から3月以内に申請書を市長に提出しなければならないとし、施行規則4条で、市長は申請書を受理したときは審査し、適当と認めたときは助成の限度その他必要の条件を付して助成するものとする、としていました。
実質は、増設した工場に課された固定資産税の一部を還元するものです。判決も、奨励金の交付は実質的には当該工場に賦課・納入された固定資産税の一部を還元することにほかならないと述べています。
(2)増設の完了と、その直後の条例改正
控訴人は、乳製品・飲用牛乳等の製造販売を行う株式会社で、釧路市内に工場を持っていました。昭和40年9月に工場を増設し、同年12月に市長に対して旧条例7条1項による助成申請書を提出しました。
ところが、釧路市議会は、昭和40年12月28日、旧条例のうち工場の増設に対する奨励金の交付を廃止する趣旨の条例一部改正案を議決し、市長は即日これを公布施行しました(条例第27号。判決はこれを「改正条例」と呼んでいます)。増設の完了から約3か月、助成申請書の提出からは数週間のうちに、増設分の奨励金の制度そのものがなくなったことになります。
改正条例には、附則で経過措置が置かれていました。施行前に既に交付決定がなされているものについては従前どおり交付すること(附則2項)、昭和39年中に増設を完了してすでに実体調査も予算措置も終わっているものについても従前どおりの取扱いをすること(附則3項)です。
控訴人の増設工場は昭和40年中に完成したものでした。固定資産税が課されるのは昭和41年度分からであり、交付決定は通常の手続どおりなら昭和42年1月から3月ごろになる。つまり、附則2項にも3項にも乗らない――ここが分かれ目になりました。市長は、昭和41年2月17日、改正条例が公布施行されたことを理由に、控訴人の申請を却下しました。
(3)請求と、控訴人が示した事実
控訴人は、第一次的に旧条例に基づく奨励金の支払(321万6783円ほか)を求め、第二次的に、改正条例の制定・公布と申請の却下が控訴人の法的地位を侵害する違法なものであるとして、損害賠償を求めました。第一審の釧路地判昭和43年3月19日(行集19巻3号426頁、判タ218号145頁)は、いずれの請求も退けています。本件はその控訴審です。なお、同じ日に同じ裁判所は、改正条例の公布と却下処分の取消しを求めた別訴の控訴審判決も出しています(行集20巻4号459頁)。本稿では取り上げません。
控訴人が重視した事実は、二つです。一つは、昭和30年度から昭和39年度までの間に合計70件の奨励金交付申請がなされたのに対し、却下された事例が一件もなかったこと。もう一つは、控訴人自身が、過去2回の工場増設についてその都度奨励金の交付を受けてきたこと。いずれも、当事者間に争いがありませんでした。
10年間70件すべて交付、自分も2回受けている。――この事実関係で、なお「期待」にとどまるとされたのが本判決です。
3 札幌高判昭和44年4月17日――交付決定を受け得る地位は「事実上の期待」である
(1)出発点――奨励金はどういう性質のものか
判決は、まず、この種の金銭給付の性質を押さえます。
引用(札幌高判昭和44年4月17日・第二 二1)「右のように行政主体が他の事業を助成ないし、奨励するために金銭を給付することは行政主体が非権力的作用として行うものであつて、本来恩恵的、奨励的なものであり、私法上の贈与的性質のものとみるべきである。」
「本来恩恵的、奨励的なもの」「私法上の贈与的性質のもの」。この押さえ方が、後の結論を方向づけます。
(2)しかし、請求権は交付決定によってはじめて発生する
旧条例は、申請を受けた市長が審査し、適当と認めたときに助成するという手続を定めていました。それでは、条例の定める基準を満たした者には、奨励金の請求権があるのか。判決は、ここで否と答えます。
引用(札幌高判昭和44年4月17日・第二 二3)「しかし右のごとき条例の定めがなされたからといつて、さきに判示した奨励金の持つ本来の性格には変りがなく、条例上行政客体に対し当然に奨励金交付の請求権を与えたものと解することはできず、ただ市長において右条例の規定の内容にしたがつてその定める範囲で奨励金を交付すべき拘束を受けるに止まるものと解すべきである。したがつて市長のなす交付決定は一種の設権的行為とみるべきであり工場の新設又は増設をなした者から交付申請がなされ市長が審査の結果適当と認め奨励金の交付決定をしてはじめてその者に奨励金交付請求権が発生するものと解すべきである。」
交付決定は「一種の設権的行為」である。――交付決定が権利を作り出すのであって、交付決定の前に権利があるわけではない、という整理です。
そして、70件すべて交付されてきたという事実について、次のように述べます。
引用(札幌高判昭和44年4月17日・第二 二3)「控訴人の主張するように昭和三〇年度から同三九年度までの間に合計七〇件に及ぶ奨励金交付申請がなされたのに対し一件も却下された事例がなかつた(この点は当事者間に争いがない)としてもこのことはなんら右の解釈を左右する根拠とはならない。」
運用の実績は、条例の解釈を左右しない。そのうえ、条例上交付すべき金額については市長に裁量権のあることも明らかであるから、自ら算定した金額の支払を求める請求は失当である、としました。
(3)交付の要件はいつ充足するのか
次に、損害賠償請求の判断に入ります。判決は、まず、交付の要件がいつ充足するのかを決めました。
助成法規では「助成することができる」「予算の範囲内で」「何分の一以内」といった、交付者側の拘束を軽減する文言を用いるのが通例であり、本件条例もその例に漏れない。だから、要件がいつ充足するかは条例・施行規則の条項と交付手続の実態を勘案して判定するほかはない――という前置きのうえで、次のように述べます。
引用(札幌高判昭和44年4月17日・第三 二1)「右のようにみてくると旧条例の定める奨励金は少くとも工場の新設又は増設が完了して操業が開始されかつその工場に対する固定資産税額およびその納期が確定することによつて当該年度における交付の要件が充足されるものと解するを相当とする。」
控訴人が増設を完了したのは昭和40年9月。その工場に対する固定資産税の課税価格・税額が確定するのは昭和41年度です。したがって、改正条例が公布施行された昭和40年12月28日の時点では、市長のなすべき交付決定の要件は完全には充足されていなかった、とされました。
増設という事実行為は終わっていたのに、固定資産税の確定という手続要素が残っていたために要件未充足とされた。――制度の側に残っていた手続が、事業者の地位を左右したことになります。
(4)制度を廃止する自由
判決は、そのうえで、釧路市の側の自由を確認します。
引用(札幌高判昭和44年4月17日・第三 二3)「本来恩恵的、奨励的性質の奨励金の支出を永く将来に亘つて義務づけることの妥当でないことは前にも触れたところであるが、旧条例の定める工場増設に対する奨励金の制度は釧路市の産業を振興し住民の利益を増進するという公益上の必要にもとづきその源資は税金を主体とする同市の一般財源から支出されるものであるから、もともと同市の財政状態や政治的社会的情勢の変動に応じて将来の改廃が予測される性質のもので永久不変の制度として存在するわけのものではなく、釧路市としてはその政策的考慮にもとづき奨励金制度そのものを廃止すると否との自由を有するものと解するを相当とする。」
「永久不変の制度として存在するわけのものではなく」。この一句は、今の補助金についてもそのまま当てはまります。公募要領も交付規程も、将来にわたって変わらないことが保障されているものではありません。
(5)核心――「事実上の期待に止まり」
そして、本判決の核心です。判決は、控訴人が交付決定を受け得る地位にあったことを、まず認めます。
引用(札幌高判昭和44年4月17日・第三 二3)「控訴人の工場増設については改正条例施行当時未だ市長のなすべき奨励金交付決定の要件を充足していなかつたものであることは既述のとおりであるが、旧条例が維持存続するかぎりにおいてはその他の要件が完備することにより市長から奨励金交付決定(昭和四一年度を初年度として交付の対象となる)を受け得る地位を有したものということができる。 しかしながら右のような控訴人の地位ないし期待が、その現在の状態において法の保護を受けるためには釧路市において右のような地位を侵害してはならないという法的拘束を受けている場合でなければならないのであつて、右控訴人の地位を民法第一二八条、第一二九条の定める条件附権利と全く同一のものと考えることはできない。」
地位があることは認める。しかし、その地位が法の保護を受けるためには、市の側が「その地位を侵害してはならない」という法的拘束を受けていることが必要である。――ここで、判断の軸が、事業者の側の状態から、行政の側が拘束を受けているかどうかへ移されています。
結論は、次のとおりです。
引用(札幌高判昭和44年4月17日・第三 二3)「旧条例上右のような地位を保障する趣旨の規定は存在しないし、工場増設に対する奨励金の制度はその本来の性格からみて釧路市においてこれを廃止すると否との自由を有するものであることは前段判示のとおりであるから、控訴人の前記地位ないし期待は釧路市に対し条例の改廃によつては侵害してはならないという法的拘束を設定するまでの権利性を有するものとは認め難く右は事実上の期待に止まり未だ法的保護の対象となり得る地位にはあたらないものと解するを相当とする。 控訴人の主張するように控訴人が過去二回に亘る工場増設についてその都度必ず奨励金の交付を受けてきた事実(この点は当事者間に争いがない)を十分に斟酌しても右結論を左右することができない。」
過去2回いずれも交付を受けてきたことも、結論を左右しない。――これが、交付決定前の期待に対する昭和44年当時の裁判所の答えでした。
(6)改正の合理性と、判決自身が残した留保
判決は、改正条例そのものの合理性も認めています。認定されたのは、旧条例が制定当初から経済情勢の推移に応じて内容を変更することを条件とする附帯決議を受けていたこと、その後釧路市の財政事情の悪化を主な理由として数回にわたり企業側に不利に改正されてきたこと、政府が工場誘致のための地方税減免措置に消極的な態度を示していたこと、既に交付決定をした確定債務の未払分が約3億1874万円残っていたこと、道路の舗装率が4・7パーセントにすぎず下水道の拡充や老朽校舎の建替えのための財源に乏しかったこと、などです。
引用(札幌高判昭和44年4月17日・第三 二3)「釧路市においてはより緊急を要し、一般住民の福祉に直接関係のある施策を行う財源を確保する公益上の必要からかねて議論のあつた工場増設に対する奨励金の制度を廃止する改正条例を制定施行したのであるから右条例の改正は合理的理由に基づくものということができる。改正条例が上記のような控訴人の有する地位につきなんの考慮を払わなかつたとしても立法政策上妥当かどうかの問題の残ることはかくべつとして、違法の評価を受けるべきものではないと解する。」
注目すべきは最後の一文です。改正条例が控訴人の地位に何の考慮も払わなかったことについて、「立法政策上妥当かどうかの問題の残ることはかくべつとして」と留保を置いています。違法ではない、しかし立法政策として妥当だったかは別問題である――という書き方です。裁判所自身が、結論の居心地の悪さを書き残していると読むこともできます。
4 なぜ請求が通らなかったのか――三つの分かれ目
この判決は、事業者にとって厳しい結論です。しかし、「交付決定前は何も言えない」という一般命題を立てたものではありません。結論を決めた分かれ目は、三つあります。
第一に、要件が完全に充足されていなかったこと。 工場の増設という事業者側の行為は終わっていましたが、固定資産税額と納期の確定という要素が残っていた、とされています。これは、裏から読めば、要件が完全に充足していれば結論が違い得たことを示唆する部分です。判決は、要件充足の時期をわざわざ特定し、そのうえで改正条例の施行時点では要件が完全には充足されていなかったと述べています。要件充足を問題にしない構成でも結論は書けたのに、そうしていません。
第二に、地位を保障する規定がなかったこと。 判決は「旧条例上右のような地位を保障する趣旨の規定は存在しない」としました。改正条例の附則2項・3項は、交付決定済みのものと、前年に増設を完了して実体調査も予算措置も終わっていたものには経過措置を置いていました。控訴人は附則3項が自分にも及ぶと主張しましたが、認められていません。ここで重要なのは、経過措置の有無が結論を分けていたということです。附則の線がもう一年手前に引かれていれば、控訴人は救われていました。
第三に、個別的・具体的な勧誘が問題にされていないこと。 これがいちばん大きな点です。この判決には「個別的、具体的な勧告ないし勧誘」という観点が出てきません。認定されているのは、条例と施行規則の内容、過去の運用実績、控訴人自身が2回交付を受けてきたこと、釧路市の財政事情です。市の職員が控訴人に対して個別に働きかけた、という事実は認定されていません。控訴人の主張も、条例上の地位の侵害という形で立てられていました。
この観点は、12年後の最高裁判決によって持ち込まれます。
5 もう一つの道――宜野座村工場誘致事件と、その後の裁判例
(1)最三小判昭和56年1月27日
宜野座村工場誘致事件は、製紙工場の建設を計画した会社が村長に工場の誘致と村有地の譲渡を陳情し、村長が村議会の議決を経て工場建設に全面的に協力することを言明した事案です。会社は、村長や村議会議員の協力のもとに敷地を選定し、水利権設定申請のための村長の同意書を得て、耕作者に補償料を支払い、機械設備を発注し、整地工事を完了しました。村長は融資を促進されたい旨の依頼文書まで送っています。
ところが、村長選挙で工場設置に反対する住民の支持を得た新村長が当選し、建築確認申請書を建築主事に送付せず、工場建設に不同意である旨を通知しました。会社は工場の建設・操業を断念し、機械設備の代金相当額等の積極的損害(元本5574万5614円)の賠償を求めました。原審は、企業誘致の方針が村民に批判され批判勢力の支持する村長が選出された以上、会社は村の協力を期待すべきではない、として請求を退けていました。最高裁は、これを破棄しました。
引用(最三小判昭和56年1月27日・二)「しかし、右決定が、単に一定内容の継続的な施策を定めるにとどまらず、特定の者に対して右施策に適合する特定内容の活動をすることを促す個別的、具体的な勧告ないし勧誘を伴うものであり、かつ、その活動が相当長期にわたる当該施策の継続を前提としてはじめてこれに投入する資金又は労力に相応する効果を生じうる性質のものである場合には、右特定の者は、右施策が右活動の基盤として維持されるものと信頼し、これを前提として右の活動ないしその準備活動に入るのが通常である。このような状況のもとでは、たとえ右勧告ないし勧誘に基づいてその者と当該地方公共団体との間に右施策の維持を内容とする契約が締結されたものとは認められない場合であつても、右のように密接な交渉を持つに至つた当事者間の関係を規律すべき信義衡平の原則に照らし、その施策の変更にあたつてはかかる信頼に対して法的保護が与えられなければならないものというべきである。すなわち、右施策が変更されることにより、前記の勧告等に動機づけられて前記のような活動に入つた者がその信頼に反して所期の活動を妨げられ、社会観念上看過することのできない程度の積極的損害を被る場合に、地方公共団体において右損害を補償するなどの代償的措置を講ずることなく施策を変更することは、それがやむをえない客観的事情によるのでない限り、当事者間に形成された信頼関係を不当に破壊するものとして違法性を帯び、地方公共団体の不法行為責任を生ぜしめるものといわなければならない。」
要件を分解すると、四つです。①個別的、具体的な勧告ないし勧誘があること。単に継続的な施策を定めるだけでは足りません。②その活動が、相当長期にわたる施策の継続を前提としてはじめて投入資金・労力に相応する効果を生じうる性質のものであること。③勧告等に動機づけられて活動に入った者が、社会観念上看過することのできない程度の積極的損害を被ること。④補償等の代償的措置が講じられておらず、やむをえない客観的事情によるものでもないこと。
契約が締結されたと認められない場合でも構わない、と明記されているところが大切です。根拠は信義衡平の原則です。
(2)政治情勢の変化は「やむをえない客観的事情」ではない
最高裁は、原審が依拠した住民自治の原則についても応答しています。
引用(最三小判昭和56年1月27日・二)「そして、前記住民自治の原則も、地方公共団体が住民の意思に基づいて行動する場合にはその行動になんらの法的責任も伴わないということを意味するものではないから、地方公共団体の施策決定の基盤をなす政治情勢の変化をもつてただちに前記のやむをえない客観的事情にあたるものとし、前記のような相手方の信頼を保護しないことが許されるものと解すべきではない。」
ここは、札幌高判と比べて読むべきところです。札幌高判は、釧路市の財政事情の窮迫と住民福祉の優先を挙げて、条例改正に「合理的理由」があるとしました。最高裁は、政治情勢の変化それだけでは「やむをえない客観的事情」に当たるとは言えない、としています。制度変更の理由として語られる財政事情・政策判断は、それだけで決着をつける材料にはならない、ということです。
もっとも、二つの判決は対立しているわけではありません。札幌高判が判断したのは、条例の改廃という立法作用そのものの違法性であり、個別的・具体的な勧誘を前提とした信頼関係の破壊は審理されていません。宜野座村事件は、村長の言明と協力という個別的な働きかけがあった事案です。二つを合わせると、制度変更そのものは原則として自由であるが、特定の事業者に向けた個別的・具体的な勧誘があった場合には、その事業者との関係では別の評価が入り得るという構図になります。
(3)高松高判令和6年4月25日――補助金事業で、この規範が使われた
この規範は、今の補助金についても使われています。
高松高判令和6年4月25日は、保育所の経営等を目的とする事業者が、市の示した「教育・保育施設等整備費補助事業」の方針に従って保育施設の新規開設の準備を進めたところ、市長が従前の方針を変更して事業を中止したため、支出した設計費用等が無駄になった、として国家賠償等を求めた事件です。市は事業者向け説明会を開き、意向調査をし、個別ヒアリングを行い、実施事業者を決定し、要望調書の書式を送り、事前協議書を作成して国に提出し、入札手続の手引きを送っていました。それでも、控訴は棄却されています。
引用(高松高判令和6年4月25日・第3の3(4)ア)「しかしながら、上記認定の一連の経過は、被控訴人ないしその職員が、控訴人を含む施設整備を計画している民間事業者らに対し、本件補助金交付の前段階となる、被控訴人の国に対する本件整備交付金の申請に必要な事務連絡や注意喚起を一律に行うものである。被控訴人が、これらの事務連絡等を超えて、控訴人に対し、特定の時期(年度末)までに一定の利用定員数を確保するために、特定の時期までに控訴人経営の保育施設を整備するよう個別的、具体的に働き掛けたり、控訴人が計画する保育施設の設置区域や定員等の内容を特定した上で個別的、具体的に開設を求めたりしたことは認められない。」
「事務連絡や注意喚起を一律に行うもの」であれば、個別的・具体的な勧誘には当たらない。――これは、実務上きわめて重要な線引きです。説明会、意向調査、書式の送付、提出期限の案内。事業者の側は「行政に促されて動いた」と感じていても、裁判所はこれを一律の事務連絡と見ます。
同時に、この判決は、どういう働きかけであれば足りたのかを具体的に述べています。
引用(高松高判令和6年4月25日・第3の3(3))「そのような場合に、間接補助事業者たる民間事業者が、本件補助金交付への信頼ではなく、事業のために資金や労力を投下したこと自体への信頼に反して、補助事業者である被控訴人が政策変更をしたという理由で、被控訴人に対し損害賠償請求ができる場合があるとすれば、それは、被控訴人の職員において、本件支援計画事業を一定時期までに達成する意図をもって、当該民間事業者に対し、本件補助金の内示前に契約を締結することを個別的、具体的に勧誘、勧告するか、あるいは、内示前に契約に着手しなければ、当該時期には保育施設の新設が間に合わない状態で、敢えて当該時期に完成させるよう個別的、具体的な勧誘をした場合になるものと解される。」
交付決定(内示)の前に着手しなければ間に合わない状態で、あえてその時期に完成させるよう個別的・具体的に勧誘した場合。――これが、裁判所が示した合格線です。実務では、この種の働きかけは珍しくありません。残るのは、それが記録に残っているかどうかです。
なお、この事件では、事業者が内示前に行った実施設計の委託契約書の日付欄に内示後の日付を記入しようとした点も認定されており、判決は、そのような行為が補助金適正化法29条にいう偽りその他不正の手段により補助金を不正に受ける行為となる旨を述べています。間に合わせるための便法が、まったく別の危険を呼び込むことがある、ということです。
(4)神戸地判令和3年8月31日――①②は限定列挙ではない
もう一件、方向の違う裁判例を挙げます。
神戸地判令和3年8月31日は、消費税率引上げに伴うキャッシュレス・消費者還元事業について、公表された加盟店登録要領の課税所得要件を満たしていた生活協同組合が、事業規模を理由に加盟店登録を認められなかった事案です。裁判所は、原告の請求を一部認め、1186万5852円の支払を命じました。
この判決は、まず、昭和56年判決の①②の事情がない場合をどう扱うかを述べています。
引用(神戸地判令和3年8月31日・第3の2(1)ア)「そして,行政主体が行う施策は多種多様であり,その趣旨・目的,内容,対象・範囲等の違いから,私人の経済活動との関わり方も施策ごとに異なるものと考えられるから,上記判決のいう法的保護に値すべき私人の信頼は,同判決が判示する上記①,②の事情が存する場合に限って形成され得るものとは解されない。」
※ 引用中のカンマは、手元の判決全文の表記のままです。
昭和56年判決の要件は、法的保護に値する信頼が形成される場合を限定列挙したものではない。――そう読んだうえで、裁判所は、同判決の示す考慮要素を参考にして、動機づけによって法的保護に値する信頼が形成されたか、その信頼に基づいて相当の費用負担を伴う活動・準備を行ったかを検討しました。
引用(神戸地判令和3年8月31日・第3の2)「以上によれば,原告は,本件事業の加盟店に登録して同事業に適合するための準備を促す被告の動機づけ行為によって,加盟店登録の対象であることについて高度の信頼を有するに至り,その中で,本件事業開始に向けて相当額を支出して必要な準備を進めていたにもかかわらず,被告が加盟店登録要件に関する当初の方針を変更して,原告に対し加盟店登録を認めなかったことで,上記支出が無駄になり,社会通念上看過できない損害を被ったものといえる。その上,被告が上記加盟店登録の要件に関する方針を変更したことについて,同要件を公表した時点から社会情勢等が大きく変化したといった事情は見当たらず,そのほか公益上の必要性等も認められないことからすると,原告が事業規模を理由として加盟店登録の対象外となったことを,単なる投機上の見込み違いなどということはできず,原告の上記信頼には法的保護が与えられるべきである。」
「同要件を公表した時点から社会情勢等が大きく変化したといった事情は見当たらず,そのほか公益上の必要性等も認められない」。ここが決め手になっています。
公表した要件を、社会情勢の変化もなく、公益上の必要も示さずに後から読み替える運用は、裁判所の言葉で違法と評価され得るということです。補助金の実務では、公募要領に書かれていない基準が審査や交付申請の段階で現れること、事務局の説明が回次や担当者によって変わることが起きています。公募要領も交付規程も将来の改訂が予測される性質のものである――そのこと自体は札幌高判のいうとおりですが、すでに公表した要件を、理由を示さずに個別の申請者について読み替えてよいという話ではありません。改訂するのであれば改訂の理由を示し、既に準備に入っている者への経過措置を置くべきであって、これを欠く運用は相当でないと言わざるを得ません。
6 今の補助金で、この二つの裁判例はどう働くか
ここからは、公募・採択・交付申請・交付決定という段階を踏む今の補助金を念頭に、主張の組み立てを整理します。以下は、前記の裁判例を踏まえた当職の整理です。
(1)まず、自分がどの段階にいるのかを確かめる
札幌高判の「交付決定は一種の設権的行為」という押さえ方は、今の補助金でも同じです。補助金適正化法6条の交付決定があってはじめて、補助金の交付を受ける法律関係が成立します。そこから先は、同法17条の取消しなど、法の定めた仕組みによらなければ奪えません。
ですから、確かめるべき第一のことは、交付決定通知書が届いているかどうかです。採択通知と交付決定通知は別のものです。採択されただけの段階、交付申請をしただけの段階は、札幌高判のいう「交付決定を受け得る地位」にとどまります。この区別は、補助金の交付決定の取消し・返還請求の前提にもなるところです。
交付決定を受けているのであれば、話は本稿の主題ではなくなります。公募要領が後から改訂されたこと、事務局の運用が変わったことは、交付決定によって成立した法律関係を一方的に失わせる理由にはなりません。交付決定に付された条件に違反したという指摘があるのかどうか、それが補助金適正化法17条1項の三つの類型のどれに当たるのかを問うことになります。交付規程に書かれていることに反したという指摘がそのまま条件違反になるかは、別の問題です(交付規程違反は補助条件違反に当たるのか)。
(2)交付決定前なら、「個別的・具体的な勧誘」を探す
交付決定前であれば、札幌高判のとおり、制度変更そのものを違法と言うのは容易ではありません。「永久不変の制度として存在するわけのものではなく」という一句は、公募型の補助金にそのまま当てはまります。
そこで、宜野座村事件の規範に乗せることを考えます。探すべき事実は、次のものです。
① 自分に向けた働きかけがあったか。 公募要領の公表、説明会、一般的な事務連絡では足りません。高松高判が「事務連絡や注意喚起を一律に行うもの」として退けたのは、まさにこの類型です。必要なのは、担当者が自社の計画を特定したうえで、特定の時期までに特定の行為をするよう促したことです。面談、電話、メール、オンライン会議。相手は事務局の担当者か、都道府県か、市町村か。誰が、いつ、何と言ったか。
② その働きかけに動機づけられて動いたか。 働きかけがあったことと、それによって支出に踏み切ったこととは別です。働きかけの前から同じ計画で動いていたのであれば、動機づけがあったとは言いにくくなります。高松高判が、開園時期は「飽くまで事業者である控訴人側の要望であったと推認される」としたのは、この点です。
③ 長期の施策継続を前提とする性質の投資か。 設備投資、建物の建築、人員の採用。短期で回収できるものではないことを、具体的に示す必要があります。
④ 積極的損害が生じているか。 得られなかった補助金の額ではありません。支出してしまって無駄になった費用です。設計費、委託費、発注済みの設備の代金、解約金、原状回復費用。宜野座村事件も、機械設備の発注による支払義務相当額等の積極的損害を問題にしていました。
⑤ 代償的措置が講じられたか。やむをえない客観的事情があるか。 経過措置が置かれているか。既に準備に入っている者への救済が用意されているか。改訂の理由として何が示されているか。神戸地判が「社会情勢等が大きく変化したといった事情は見当たらず,そのほか公益上の必要性等も認められない」としたのは、この点を検討した結果です。
(3)経過措置の線を確かめる
札幌高判の事案で結論を分けたのは、改正条例の附則でした。交付決定済みのものと、前年に完了して実体調査も予算措置も終わっていたものには経過措置があり、控訴人はその線の外にいました。
今の補助金でも、公募要領や交付規程が改訂されるときには、適用開始の時期や従前の取扱いを維持する範囲が定められていることがあります。改訂版と改訂前の版を並べ、適用関係の定めを読み、自分がどちらの側に落ちるのかを確かめる。線の外に落ちるとされた場合には、その線の引き方が合理的なのか、同じ状況にある他の事業者がどう扱われているのかを問うことになります。神戸地判の事案で、他県の生協が加盟店登録を認められていたことが問題にされていたのと同じ構図です。
(4)記録に残しておくこと
以上の主張は、いずれも事実の裏づけを必要とします。そして、交付決定前の段階の事実は、記録に残りにくいものです。
残しておくべきものを挙げます。事務局・都道府県・市町村の担当者とのメール(要約ではなく原文を保存してください)。面談・電話の日時と相手の氏名・所属、話の内容を書き留めたもの。説明会の資料と、そこで配られていない個別の指示があればその記録。公募要領・交付規程の版ごとのPDF(改訂されると前の版が公開されなくなることがありますので、自分の回次の版を保存しておく必要があります)。見積書・発注書・契約書・支払の記録と、その日付。
宜野座村事件で会社が救済され得たのは、村長の言明、村議会の議決、同意書、融資促進の依頼文書といった記録が残っていたからです。高松高判で事業者が救済されなかったのは、代表者の供述を裏付ける客観的な証拠がなく、かえって他の事業者の担当者が「そのような言動はなかった」と自認していたからです。記録の差が、結論の差になっています。
(5)争い方の選択
最後に、手続の選び方です。交付申請が却下された、不交付の決定を受けた、という形で処分が出ているのであれば、その処分を争う道があります。札幌高判の事案でも、却下の通知書には行政不服審査法による異議申立ての教示が付されていました。処分を争うには期間の制限がありますので、まずその点を確かめる必要があります(補助金の取消しを争う期間(出訴期間))。
他方、制度変更そのものを違法と言うのが難しい場面では、損害賠償(国家賠償法1条1項、民法709条)が中心になります。宜野座村事件、高松高判、神戸地判は、いずれもこの形の事件です。この場合、処分が出ているかどうかは必須の前提ではありません。
どちらの形を採るか、あるいは両方を立てるかは、届いている文書の形と、集められる記録の中身で決まります。
7 まとめ
制度が途中で変わって補助金・奨励金が受けられなくなったとき、争えるのかという問いに対する答えは、二段構えになります。
札幌高判昭和44年4月17日(行集20巻4号486頁)は、交付決定前の段階について厳しい答えを出しました。奨励金の交付請求権は、条例の基準に合う工場増設という事実の完了によって当然に発生するものではなく、市長の交付決定という「一種の設権的行為」によってはじめて発生する。条例が維持されるかぎり交付決定を受け得る地位にあったことは認められるが、それは「事実上の期待に止まり未だ法的保護の対象となり得る地位にはあたらない」。10年間70件すべて交付されてきたことも、自分が過去2回受けてきたことも、この結論を左右しない。そして、奨励金の制度は「永久不変の制度として存在するわけのものではなく」、市は制度そのものを廃止する自由を有する。――ただし、判決自身が、改正条例が控訴人の地位に何の考慮も払わなかったことについて「立法政策上妥当かどうかの問題の残ることはかくべつとして」という留保を置いていることは、見落とすべきではありません。
その12年後、最三小判昭和56年1月27日(民集35巻1号35頁)は、別の道を開きました。行政主体が「特定の者に対して右施策に適合する特定内容の活動をすることを促す個別的、具体的な勧告ないし勧誘」をし、その活動が長期の施策継続を前提としてはじめて投入資金に相応する効果を生じうる性質のものである場合には、契約の成立が認められなくとも、信義衡平の原則によってその信頼に法的保護が与えられなければならない。補償等の代償的措置を講ずることなく施策を変更することは、やむをえない客観的事情によるのでない限り、違法性を帯びる。政治情勢の変化は、それだけでは「やむをえない客観的事情」に当たらない。
この規範は、今の補助金でも使われています。高松高判令和6年4月25日は、説明会・意向調査・個別ヒアリング・書式の送付といった経過を「事務連絡や注意喚起を一律に行うもの」と評価して請求を退けましたが、同時に、交付決定の内示前に着手しなければ間に合わない状態で、あえてその時期に完成させるよう個別的・具体的に勧誘した場合であれば損害賠償請求ができる余地があることを示しています。神戸地判令和3年8月31日は、昭和56年判決の要件が限定列挙ではないとしたうえで、公表した要件を、社会情勢の変化も公益上の必要も示さずに後から変更して登録を認めなかったことを国家賠償法上違法としました。
ですから、制度が変わって補助金が受けられなくなったときに確かめるべきことは、「自分に権利があったか」ではありません。交付決定を受けているか。受けていないなら、行政から自分に向けた個別的・具体的な働きかけがあったか。それに動機づけられて、無駄になった支出をしたか。経過措置はどう引かれているか。そして、それらが記録に残っているか。 この五つです。
ご相談をお考えの事業者の方へ
公募要領が改訂された、事務局の説明が変わった、採択されたのに交付決定が出ないまま要件が変わった、自治体の補助金の制度そのものが廃止された。――こうした段階で、「制度の話だから仕方がない」と判断してしまう前に、確かめていただきたいことがあります。交付決定通知書が出ているかどうか、担当者とのやり取りが記録に残っているかどうか、改訂の前後で適用関係がどう定められているか。公募要領・交付規程(改訂前の版を含みます)、採択通知・交付申請の控え、担当者とのメールや面談の記録、支出の資料があれば、具体的な検討ができます。処分の形で通知が届いている場合には争うための期間がありますので、早い段階でご相談ください。
士業の先生方へ
顧問先から「公募要領が変わって計画が通らなくなった」「事務局に促されて先に発注したのに事業が中止になった」というご相談を受けることがあろうかと存じます。この場面では、処分を争う道と損害賠償を求める道のどちらを選ぶかで、集めるべき資料が変わります。また、交付決定前に着手した経費の扱いは、補助金適正化法の側からの検討を要します。その部分だけを分担してお引き受けすることもできます。中小企業診断士・行政書士・税理士の先生方からのご相談も承っております。連携の形は士業の先生方へにまとめております。
※ 本稿は一般的な法的整理を示すものであり、個別の事案についての結論を保証するものではありません。本稿の第5節(4)末尾及び第6節は、当職の見解を含みます。具体的な対応は、公募要領・交付規程・通知書等の資料に基づく個別の検討が必要です。
※ 本稿は、執筆時点の法令・公表資料に基づく一般的な整理であり、当職の私見を含みます。個別の事案についての結論を保証するものではありません。