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弁護士 岸上大起

採択結果について「理由開示及び異議申立は一切受け付けておりません」と書かれていますが、それで終わりなのでしょうか

このページの結論

補助金に応募しましたが、不採択となりました。理由を尋ねたところ、公募要領に「採択結果についての理由開示及び異議申立は一切受け付けておりません」と書かれていると言われました。また、別の補助金では、交付決定に不服があるときは10日以内に取り下げることができる、とだけ案内されています。理由を知ることも、争うこともできないのでしょうか。

「一切受け付けておりません」という記載は、公募要領を書いた側の意思を述べたものであって、法律上の争訟の可否を左右するものではないと考えております。補助金適正化法24条の2が適用を除外したのは行政手続法2章(申請に対する処分)及び3章(不利益処分)であり、行政不服審査法と行政事件訴訟法を排除する規定は同法に置かれていません。現に、同法17条1項に基づく交付決定の取消処分について審査請求が受け付けられ、総務省行政不服審査会が審査庁の判断を「妥当とはいえない」とした答申があります(令和3年度答申第56号)。また、「不服があるとき」として案内されている10日以内の取下げは、同法9条1項の規定であり、その内容どおりに事業を遂行する意思がない者のための出口です。減らされた部分を争うための手続ではありません。

もっとも、採択・不採択がどのような法的性質を持つのかは補助金ごとに建てつけが違い、評価の分かれるところですので、本稿では立ち入っていません。理由の提示を義務づけた適正化法21条の2が挙げるのは、交付決定の取消し、遂行命令、一時停止命令、是正措置命令の四つであり、不採択・不交付は入っていません。しかし、それは法律が許している取扱いの限度の話であって、理由を示すことを禁じた条文はありません。交付主体が独立行政法人である補助金については、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律による開示請求の対象になり得ます。

執筆 補助金に関する紛争・法律問題を主に取り扱う弁護士 岸上 大起(埼玉弁護士会・登録番号63780)

1 公式の説明――「理由開示及び異議申立は一切受け付けておりません」

まず、書かれていることをそのまま引きます(以下、公式資料の閲覧日はいずれも2026年10月23日です)。

引用(新ものづくり補助金「公募要領(第1回)」38頁。PDF39頁)「本補助金では、申請時に提出いただいた事業計画等を外部有識者からなる審査委員会が審査・評価し、補助金交付候補者を採択します。補助対象者・補助対象事業にあてはまらない等本公募要領に沿わない場合、及び申請内容や提出書類に不備や不足がある場合などは審査対象とならず、不採択となりますので、申請前に内容や提出書類に不備や不足がないことを必ずご確認ください。なお、採択結果についての理由開示及び異議申立は一切受け付けておりません。」

同じ一文は、ほかの補助金にも並んでいます。中小企業省力化投資補助事業(一般型)の公募要領(第5回公募。2025年12月。独立行政法人中小企業基盤整備機構)2頁は、「なお、補助金交付候補者の「採択結果」についての理由開示及び異議申し立ては一切受け付けておりません。」としています。ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の公募要領(23次締切。2026年2月6日)PDF3頁も、「なお、採択結果についての理由開示及び異議申し立ては一切受け付けておりません。」としています。事務局のよくあるご質問にも、同じ趣旨が置かれています。

引用(新事業進出補助金「よくあるご質問」)「応募申請を行なったが、不採択となった。不採択の理由は教えてもらえるか。/不採択となった詳細な理由についてはお答えできません。理由開示および異議の申立は一切受け付けておりませんので、あらかじめご了承ください。」(※原文は問と答に分かれています。引用に当たり「/」で区切りました。)

もう一つ、交付決定の段階の案内があります。中小企業省力化投資補助事業(一般型)の「よくあるご質問」(第5回~第8回公募。2026年10月1日更新)のPDF10頁「辞退・取り下げ」です。

引用(同よくあるご質問PDF10頁)「交付決定後に申請を取り下げることは可能ですか。/一度交付決定となった申請は、原則、取り下げることはできません。ただし、交付の決定の内容又はこれに付された条件に対して不服があり、補助金の交付の申請を取り下げようとするときは、当該通知を受けた日から10日以内に中小機構に書面をもって申し出ることができます。」(※原文は問と答に分かれています。引用に当たり「/」で区切りました。)

同じ文は、同(カタログ注文型)の「よくあるご質問」のPDF11頁にも置かれています。新事業進出補助金の「補助事業の手引き」(2026年8月17日・第1.8版)44頁(PDF45頁)は、「3-3-7. 交付決定後に申請を取下げる際の手続き」という項目を置き、根拠規定として交付規程10条を挙げたうえ、次のように書いています。

引用(同手引き44頁「概要」「補助事業者としての義務」)「補助金交付決定の内容、またはこれに付された条件に対して不服があるときは、事務局の定める期日までに、申請の取下げをすることができます。」「申請の取下げがあったときは、当該申請に係る補助金等の交付の決定は、なかったものとみなします。」「補助事業者は、補助金交付決定の通知を受けた場合において、交付決定の内容、またはこれに付された条件に対して不服があり、補助金の交付申請を取り下げる場合、補助金交付決定通知を受けた日から10 日以内に交付申請の取下げを行う必要があります。」

整理すると、公式の説明は二つのことを言っています。採択の結果については、理由も聞けないし、異議も受け付けない。交付決定に不服があるときは、10日以内に取り下げる。不服があるときに案内されているのは、この二つだけです。

2 「不服があるとき」の案内が、10日以内の取下げ一本になっています

案内されている取下げが何なのかを、先に確かめます。根拠は補助金適正化法9条1項です。

引用(補助金適正化法9条1項)「補助金等の交付の申請をした者は、前条の規定による通知を受領した場合において、当該通知に係る補助金等の交付の決定の内容又はこれに附された条件に不服があるときは、各省各庁の長の定める期日までに、申請の取下げをすることができる。」

同条2項は、取下げがあったときは、当該申請に係る補助金等の交付の決定は、なかったものとみなす、と定めています。つまり、取り下げれば、補助金はまったく受け取れません。

この規定が何のために置かれたのかを、文献は次のように説明しています。

引用(小滝敏之『補助金適正化法解説〔全訂新版(増補第2版)〕-補助金行政の法理と実務-』178頁(株式会社全国会計職員協会、2016))「したがって、補助金等の交付申請については、一般の私人の公法行為と異なり、それに基づいて行政行為(交付決定)がなされた後においても、交付決定内容に不服があるため当該内容どおりに補助事業等を遂行する意思を有しない者に対しては、これを撤回することを認めることとすることが適当と考えられるわけである。これが、本条第一項の規定の趣旨であり、「交付の決定の内容又はこれに附された条件に不服があるときは」申請の取下げをすることができることとした理由である。申請の「取下げ」とあるのは、講学上の撤回にあたるものであり、したがって、第一項は交付申請の撤回権について創設的な規定をおいたものと解することができる。」

9条1項は、「その内容どおりに事業を遂行する意思がない者」のための出口です。もう要らない、という人が抜けるための規定であって、交付決定の中身を争うための手続ではありません。

ところが、申請額から大きく削られた交付決定通知を受け取った事業者が求めているのは、削られた部分の取消しです。全部を放棄したいわけではありません。それなのに、「不服があるとき」の案内がこの一本だけだと、10日を過ぎれば何も言えなくなる、と読めてしまいます。

「10日」という数字についても、申し上げておきます。9条1項が定めているのは「各省各庁の長の定める期日までに」です。法律が10日と決めているわけではありません。現に、交付規程ごとに違います。

  • 中小企業新事業進出促進補助金交付規程10条(同規程2頁)――「当該通知を受けた日から10日以内」
  • 中小企業省力化投資補助金交付規程11条――「当該通知を受けた日から10日以内」
  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金交付規程(23次締切分)8条(同規程2頁)――「当該通知を受けた日から20日以内」

同じ9条1項を受けた定めでありながら、期間が倍違います。期日は交付主体が定めるものですから、違うこと自体は制度上あり得ます。申し上げたいのは、この10日が、不服のある事業者に残された唯一の期間ではない、ということです。

なお、「原則、取り下げることはできません」という前置きの付け方についても、一言申し上げます。取下げは、9条1項が申請者に与えた権利です。原則としてできない行為の例外、という位置づけのものではありません。

3 「一切受け付けておりません」と書いても、不服申立ての道は閉じません

補助金適正化法は、行政手続法について、適用除外の定めを置いています。

引用(補助金適正化法24条の2)「補助金等の交付に関する各省各庁の長の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。」

除外されているのは、行政手続法の2章(申請に対する処分)と3章(不利益処分)です。処分がされた後に争うための法律――行政不服審査法と行政事件訴訟法――を排除する規定は、同法のどこにも置かれていません。同法25条は地方公共団体のための「不服の申出」を定めていますが(手続は施行令15条。処分の通知を受けた日から30日以内)、これは地方公共団体のための特別の手続です。文献も、同条が置かれた経緯を、地方公共団体がその固有の資格において相手方となる処分については行政不服審査法による不服申立てを行うことができないと解されているため、特則を設けて一般私人との均衡を図ったものだと説明しています(小滝331頁)。民間の事業者の救済手段を、この条文が限定しているわけではありません。

実際に、補助金の交付決定の取消しについて、審査請求がされ、行政不服審査会への諮問まで進んだ例があります。総務省行政不服審査会令和3年度答申第56号(令和3年12月23日。諮問番号令和3年度諮問第61号。審査庁 厚生労働大臣。事件名「働き方改革推進支援助成金交付決定取消処分に関する件」)です。補助金適正化法17条1項に基づく交付決定の全部取消処分について、同会は、審査庁の判断を「妥当とはいえない」としました。判断の枠組みは、次のとおりです。

引用(同答申「第3 当審査会の判断」2)「交付決定の取消しが安易にされてしまうと交付決定によって成立した法律関係及び補助事業者等の信頼が害されることになるから、形式的に補助事業者等に違反行為があるというだけで直ちにすることができると解すべきではなく、補助の目的、義務違反の内容及び程度、義務違反が補助の目的を阻害する程度、交付決定の取消し以外の方法で義務違反を是正する方法の有無等を総合的に判断した上で、補助の目的を阻害する義務違反であると認められる場合に交付決定を取り消すことができると解するのが相当である。」

この答申は、厚生労働大臣が処分庁である助成金についてのものであり、本稿で引いた各補助金とは交付主体も根拠も異なります。それでも、補助金適正化法17条1項の処分について審査請求が受け付けられ、審理が行われ、答申まで出ているという事実は動きません。「一切受け付けておりません」という宣言は、公募要領を書いた側の意思を述べたものであって、法律上の争訟の可否を左右するものではないと考えております。

用語についても、申し上げておきます。「異議申立」は、行政不服審査法の平成26年改正(平成28年4月1日施行)前の制度の名称です。改正により不服申立ては審査請求に一元化され、異議申立ての制度は廃止されました。現在の公募要領が、廃止された制度の名を挙げて「一切受け付けておりません」と書いているわけです。

私見としては、この書き方は、24条の2が除外した範囲を、争訟の場面にまで広げて読むものであると言わざるを得ません。もっとも、採択・不採択がどのような法的性質を持つのかは、補助金ごとに建てつけが違い、評価の分かれるところです。本稿は、そこには立ち入りません。申し上げているのは、「一切受け付けない」と書かれていることが、事業者の側で何もできないことを意味しない、という一点です。不交付・減額・取消しの各局面の違いと、それぞれの争い方は、Q&A「不服申立てはどこへ、いつまでに」とQ&A「交付申請が不交付・差し戻しになったら」で述べています。

期間についても、桁が違います。取消訴訟の出訴期間は、行政事件訴訟法14条1項により、処分があったことを知った日から6か月です。10日という数字だけを見て、その日が過ぎたから終わりだと考える必要はありません。期間の数え方は、Q&A「出訴期間」で述べています。

4 理由の提示――21条の2が及ぶ範囲と、そこから外れたところの扱い

先に、条文を確かめます。

引用(補助金適正化法21条の2)「各省各庁の長は、補助金等の交付の決定の取消し、補助事業等の遂行若しくは一時停止の命令又は補助事業等の是正のための措置の命令をするときは、当該補助事業者等に対してその理由を示さなければならない。」

理由の提示が義務づけられているのは、四つです。交付決定の取消し、遂行命令、一時停止命令、是正措置命令。不採択や不交付は、この四つに入っていません。ですから、公募要領の「理由開示……は一切受け付けておりません」が、この条文に正面から反する、という言い方はできません。

問題は、その先です。条文に書かれていないことは、しなくてよいことなのか。文献は、この点を厳しく論じています。行政手続法を全面的に適用除外としたことについて、理由として推測されるところを述べたうえ、次のように書かれています。

引用(小滝・前掲337頁)「また、裁量的色彩の強い処分であればあるほど、交付行政庁側の都合を優先するのではなく、国民の側からみて公正の確保と透明性の向上を図る努力が払われるべきであり、手続の適用が煩雑かつ困難であるからという弁明を持ち出すことは許されないものというべきであろう。」

同頁は、その直前で、補助金等の交付申請に対して交付を決定しあるいは拒否するか否かは「極めて裁量的色彩の強い処分」であるとし、そうであるからこそ審査基準を定めたり拒否処分の理由を提示することが困難だと考えられたのではないか、と推測しています。推測したうえで、それは許されない、と述べているわけです。採択・不採択の判断は、まさに「裁量的色彩の強い処分」の側にあります。

同書は、交付要綱をもって手続の保障に代えるという説明についても、「交付要綱は必ずしも公正で透明な行政手続を保障するものではなく、かつ、補助金等の交付が独自の手続体系において行われるものとはいえ、交付決定自体特別の審査機関等を設けて行うこととされているわけではないから、右の説明は不備であるのみならず、事実を誤認したものといわざるをえない。」としています(同336頁)。さらに、同書334頁注(17)は、行政手続法の適用除外について、「金銭に関する処分については事後手続で足りるという本法の論理を前提としても、申請拒否処分に対する理由の提示、補助事業者等に対して作為・不作為を命じる処分にあたっての弁明の機会の付与は、論理的に否定されるものではないし、このような運用を行うことを本法が妨げるものではないと解される。」とする学説(本多滝夫「行政手続法第三条解説」コンメンタール行政法Ⅰ・行政手続法・行政不服審査法、1997年、58ページ)を引いています。

要するに、理由を示さないことは、法律が許している取扱いの限度の話であって、示してはならないという意味ではありません。示すことを妨げる条文は、どこにもありません。それにもかかわらず、公募要領は「一切受け付けておりません」と書いています。私見としては、この書き方は、理由の提示が義務づけられていないことと、理由を知る道が閉じていることとを、混ぜて述べるものであると言わざるを得ません。

実務上の道も、申し上げておきます。中小機構のように交付主体が独立行政法人である補助金については、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律による開示請求の対象になり得ます。審査に用いられた文書が保有されているのであれば、開示請求によって確かめる余地があると考えております。もっとも、個人に関する情報や、事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報は不開示とされ得ますので、何がどこまで出るかは、請求してみなければ分かりません。また、交付主体が民間の団体である補助金は、同法の対象ではありません。どの補助金について、誰に対して請求できるのかは、交付規程と交付主体を確かめたうえでご判断ください。

5 公式の説明は、一方当事者の見解です

中小機構・中小企業庁・全国中小企業団体中央会・各事務局の説明は、公正な第三者による解説ではなく、補助金をめぐる紛争の一方当事者の見解です。公式の説明だからと鵜呑みにするのは非常に危険です。

本件について申し上げれば、次のとおりです。補助金適正化法9条1項の取下げは、その内容どおりに事業を遂行する意思がない者のための出口であって、交付決定の中身を争う手続ではありません。同法24条の2が適用を除外したのは行政手続法の2章と3章であり、行政不服審査法も行政事件訴訟法も除外されていません。現に、補助金適正化法17条1項の処分について審査請求が受け付けられ、行政不服審査会の答申が出た例があります。同法21条の2が理由の提示を義務づけたのは四つの処分ですが、それ以外の処分について理由を示すことを禁じた条文はありません。

それにもかかわらず、公式の説明は、「理由開示及び異議申立は一切受け付けておりません」と宣言し、不服があるときの案内を「10日以内の取下げ」一本に絞っています。読んだ事業者は、10日で終わりだと考え、理由を尋ねることすら諦め、記録も残さないまま時間を過ごすことになります。

もっとも、ここで申し上げているのは、公式の説明に従わなくてよい、ということではありません。申し上げているのは、公式の説明に書かれていない道が、条文の側にあるということです。書かれていないことは、ないことと同じではありません。

次のような場合は、お早めにご相談ください

  • 申請額から大きく減額された交付決定通知を受け取り、10日以内に取り下げるしかないと言われている
  • 不採択・不交付の理由を尋ねたところ、「理由開示も異議申立ても一切受け付けていない」と言われた
  • 交付決定の取消し・返還命令の通知を受け取ったが、理由が示されていない、または理由が分からない
いまの状況を相談する →お電話:070-3618-5126(受付:平日10:00〜18:00、出られないときは折り返します)

関連ページ: 不服申立てはどこへ、いつまでに(Q&A)/交付申請が不交付・差し戻しになったら(Q&A)

6 交付決定通知・不採択の通知を受け取られたら

公式の説明が案内していない部分について、お手元で動けることを、順番に挙げます。

  • (1)通知の日付と、通知を知った日を、記録に残す。取下げの期日(交付規程が定める10日又は20日)も、取消訴訟の出訴期間(処分があったことを知った日から6か月)も、起算点は通知です。封筒、電子申請システムの画面、受信したメールの日時を、その日のうちに残してください。期日を過ぎたかどうかは、まずこの記録から判断します。
  • (2)取り下げる前に、何を争いたいのかを分ける。取り下げれば、交付の決定はなかったものとみなされます(適正化法9条2項)。補助金を1円も受けられないまま、自己負担だけが残ります。削られた部分だけに不服があるのであれば、取下げはその手段ではありません。全部を放棄するのか、減らされた部分を争うのかを、分けてご判断ください。
  • (3)理由を、書面で尋ねる。公募要領に「受け付けておりません」と書かれていても、尋ねること自体を禁じる条文はありません。電話ではなく、書面又はメールで、どの要件についてどのような判断がされたのかを尋ね、控えを残してください。回答がない、という事実も記録になります。交付決定の取消し・遂行命令・一時停止命令・是正措置命令については、理由の提示が義務づけられています(適正化法21条の2)。示された理由が抽象的であるときは、その点を書面で指摘しておくことに意味があります。
  • (4)開示請求という道があることを、頭に置いておく。交付主体が独立行政法人であれば、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律による開示請求の対象になり得ます。何がどこまで出るかは請求してみなければ分かりませんが、「一切受け付けない」と書かれているからといって、この道まで閉じているわけではありません。
  • (5)処分の通知であれば、争う期間を確かめる。交付決定の取消し、返還命令、納付命令など、不利益な処分の通知を受け取られた場合は、取下げの10日とは別に、争うための期間があります。期間の数え方は、Q&A「出訴期間」で述べています。

最後に一つ申し上げます。処分がされる前に意見を述べる機会については、補助金適正化法が行政手続法の3章を除外しているため、聴聞や弁明の機会が法律上保障されているわけではありません。それでも、事実の認定が誤っているのであれば、処分がされる前に、こちらから書面で述べておくことができます。この点は、Q&A「事前の通知・弁明の機会」で述べています。処分がされた後に争うことと、されてしまう前に動くこととでは、残せるものが違います。

申請額から大きく減額された交付決定通知を受け取られた方、不採択・不交付の理由を尋ねたところ「一切受け付けていない」と言われた方、交付決定の取消しや返還命令の通知に理由が示されていない方、顧問先・支援先からこのようなご相談を受けている中小企業診断士・行政書士・税理士の先生方は、お早めにご相談ください。通知書の現物、公募要領と交付規程の該当頁、事務局とのやり取りの記録があれば、具体的な検討ができます。

根拠(条文・公式資料・裁判例)

※ 交付規程は補助金ごと・公募回ごとに版が異なります。条数と文言は、お手元の交付決定通知書に記載された交付規程でご確認ください。

関連ページ

※ 本ページは一般的な法的整理を示すものであり、個別の事案についての結論を保証するものではありません。

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