執筆 補助金に関する紛争・法律問題を主に取り扱う弁護士 岸上 大起(埼玉弁護士会・登録番号63780)
1 公式の説明――ものづくり補助金「よくあるご質問」13頁・15頁
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(事務局は全国中小企業団体中央会です。以下「ものづくり補助金」といいます)について、「よくあるご質問」という文書が公表されています。一覧ページには「最終更新日:令和8年3月31日(火)」と表示されています(以下、公式資料の閲覧日はいずれも2026年10月23日です)。この文書の「4.補助金返還義務について」は、賃上げ要件が未達のときの返還額の計算を、7問にわたって説明しています。まず、書かれていることをそのまま引きます。
引用(よくあるご質問13頁「4.補助金返還義務について」No.1)「返還額は、給与支給総額と一人当たり給与支給総額のそれぞれについて、従業員又は役員の達成率を見てその低い方を採用し、それぞれ採用した達成率同士(給与支給総額と一人当たり給与支給総額)を比較したうえで、その高い方の達成率を基に算出します。/以下のような段取りとなります。/ ステップ1:給与支給総額と1人あたり給与支給総額において、役員と従業員の達成度合いを比較 →達成度合いの低い方を採用/ ステップ2:ステップ1で採用した達成度合いを比較する →達成度合いの高い方を採用/ ステップ3:ステップ2で採用した達成度合いに応じて返還額を計算」(※原文は改行と字下げで組まれています。引用に当たり「/」で区切りました。)
そして、具体的な例が置かれています。例2(同13頁No.3)です。
引用(同13頁No.3)「例2/次のような達成度合いだった時、返還額はどうなりますか。/ (従業員) (役員)/ 給与支給総額 100% 70%/ 1人あたり 110% 80%/ ステップ1:給与支給総額の低い方 = 役員の70%/ 1人あたりの低い方 = 役員の80%/ ステップ2:70%と80%の高い方 = 80%/ ステップ3:補助金交付額×(100%-80%)= 20%返還」(※原文は表の形で組まれています。引用に当たり「/」で区切りました。)
この例の事業者は、従業員1人あたり給与支給総額の達成率が110%です。目標を超えています。それでも、役員の達成率が80%であるために、公式の説明では「20%返還」になります。補助金が2,500万円であれば、500万円です。
もう一つ、別の計算例も引いておきます。事業所内最低賃金水準要件(基本要件③)が未達の場合の例です。
引用(同15頁No.7)「補助金額を事業計画年数で除した額の返還を求めます。/■判定:未達/ ↓/ 2,500万円×(1年/3年)=834万円の返還」(※原文は改行で組まれています。引用に当たり「/」で区切りました。)
2 現行(23次)の交付規程・公募要領・手引きは、「従業員1人あたり」だけを要件にしています
返還の要件と額を定めているのは、「よくあるご質問」ではありません。交付規程です。ものづくり補助金の交付規程(23次。掲載日は令和8年8月7日)は、返還について、次のように定めています。
引用(ものづくり補助金交付規程(23次)25条。同規程6頁)「全国中央会は、様式第13による報告書により、補助事業者が別紙3の基本要件に係る返還要件に該当することを確認したときは、補助金の返還を求めることができるものとする。ただし、免除要件に該当する場合は返還を求めない。」
返還の要件と額は、別紙3に書かれていることになります。その別紙3(同規程12頁)の「賃金の増加要件」の欄は、次のとおりです。
引用(同交付規程(23次)別紙3。同規程12頁)「・補助事業終了後3~5年の事業計画期間(以下「事業計画期間」という。)において、以下の要件を達成すること。/①1人あたり給与支給総額/企業全体における従業員1人あたり給与支給総額について、事業実施都道府県における最低賃金の直近5 年間の年平均成長率を「1人あたり給与支給総額基準値」とし、当該基準値以上増加させる目標値(「1人あたり給与支給総額目標値」)を設定し、達成すること。」(※同欄の「(補助金返還判定)」は「事業計画期間最終年度において、1人あたり給与支給総額目標値を達成できなかった場合」、「(補助金返還額)」は「目標値に対する未達成率を算定し、未達成率を交付した補助金額に乗じた額」とされています。)
要件は一つだけです。「企業全体における従業員1人あたり給与支給総額」。役員は出てきません。給与支給総額(総額)の要件も、ありません。
同じことが、公募要領(第23次公募。掲載日は令和8年2月6日)にも書かれています。14頁(PDF19頁)です。
引用(同公募要領14頁「基本要件②:賃金の増加要件」)「1 人あたり給与支給総額とは、従業員に支払った給与等(給料、賃金、賞与等は含み、役員報酬、福利厚生費や法定福利費、退職金は除く) を従業員数で除したものをいいます。」
役員報酬は除く、と明記されています。そして、同じ公募要領の18頁(PDF23頁)「2.6 補助対象要件未達の場合の補助金返還義務」が置いている算式も、一つだけです。
引用(同公募要領18頁)「補助金返還額=補助金交付額×(1-(事業計画期間最終年度における1 人あたり給与支給総額の年平均成長率(%)/1 人あたり給与支給総額目標値(%)))」
補助事業の手引き(23次締切。掲載日は令和8年8月7日)23頁(PDF24頁)「3.補助金返還」の算式も、同文です。さらに、同手引き22頁(PDF24頁)が掲げる事業化状況・知的財産権等報告書の報告項目の表も、「3. 1 人あたり給与支給総額」「4.事業所内最低賃金」の二つだけで、役員の給与を報告させる欄は置かれていません。
整理します。23次の事業について、交付規程・公募要領・手引きのいずれも、判定の対象を「従業員1人あたり給与支給総額」の一本に絞っています。役員の達成率は、どこにも出てきません。ところが「よくあるご質問」4節は、役員の達成率で返還額を決める計算例を、7問並べたまま置いています。前記1の例2を現行の規程に当てはめれば、従業員1人あたりが110%で達成していますから、返還は生じません。公式の計算例は、それを「20%返還」としています。
3 同じ文書の中に、「23次からは……役員報酬・役員賞与は除いて算定します」と書かれています
このずれは、見落としでは説明がつきません。同じ「よくあるご質問」の10頁、「3.補助対象要件について」No.7の回答には、次の注が入っています。更新履歴欄には「2026/3/31修正」と記されています。
引用(同よくあるご質問10頁「3.補助対象要件について」No.7)「【注】23次からは従業員1人あたり給与支給総額のみとなり、 役員報酬・役員賞与は除いて算定します。/<ご参考>公募回次毎の給与支給総額の定義/18次まで:役員、従業員を区別せず、役員報酬も含めた額を給与支給総額としております/19~22次:役員、従業員を区別し、それぞれ従業員給与、役員報酬の総額で給与支給総額とし、これをもとに1人当たり給与支給総額を算定することとしております/23次:役員を考慮外とし、従業員給与(役員報酬を除く)のみを給与支給総額とし、これをもとにして1人当たり給与支給総額を算定することとしております。」(※原文は箇条の形で組まれています。引用に当たり「/」で区切りました。)
さらに同じ問の末尾には、次の括弧書きまで置かれています。
引用(同No.7末尾)「(※23次公募からは「従業員に対して支払った給与」のみを対象としており、後述の達成条件では「従業員1人あたりの給与支給総額」のみで判断します。役員報酬・役員賞与は対象外です)」
「後述の達成条件では……『従業員1人あたりの給与支給総額』のみで判断します」と書いたうえで、その「後述」である4節に、役員の達成率で返還額を決める計算例を7問残しているわけです。しかも、4節の各問(No.1からNo.7まで)の更新履歴欄は、いずれも空欄です。他の節の問には「2025/8/6修正」「2025/4/18追加」といった記載が入っていますから、4節が改訂されないまま置かれていることが、文書自身の体裁から読み取れます。
同じ文書の中には、ほかにも揃っていない箇所があります。同12頁No.12は「給与支給総額は、従業員に支払った給料、賃金、賞与、及び役員の報酬等の合計です。」とし、同11頁No.11は大幅な賃上げの特例について「従業員及び役員の給与支給総額の年平均成長率を+6.0%以上増加させる」としています。他方、23次の交付規程別紙3の特例の欄は「企業全体における従業員1 人あたり給与支給総額について、1 人あたり給与支給総額基準値に加え、更に年平均成長率2.5%(合計で年平均成長率6.0%)以上の目標値」と定めており、やはり役員を含んでいません。
私見としては、この書き方は、返還額の算定が交付の条件の内容そのものであることの理解が浅いと言わざるを得ません。返還額をどう算定するかは、事業者が負う金銭の支払義務の中身です。交付規程と公募要領が定めた以上の返還を、改訂していない説明文書の計算例によって求めることはできないと考えております。
4 「低い方を採用」というルールは、19次~の交付規程にも書かれていません
ここで、一つ先回りして確かめておきます。19次から22次までの事業には、役員の要件がありました。交付規程(19次から。掲載日は令和7年2月28日)の別紙3(同規程12頁)です。
引用(同交付規程(19次から)別紙3。同規程12頁)「・補助事業終了後3~5年の事業計画期間(以下「事業計画期間」という。)において、①又は②の要件を達成すること。/① 給与支給総額 企業全体における従業員(非常勤を含む。以下同じ。)及び役員それぞれの給与支給総額について、年平均成長率2.0%を「給与支給総額基準値」とし、当該基準値以上増加させる目標値(「給与支給総額目標値」)を設定し、達成すること。/② 1 人あたり給与支給総額 企業全体における従業員及び役員それぞれの1人あたり給与支給総額について、事業実施都道府県における最低賃金の直近5 年間の年平均成長率を「1人あたり給与支給総額基準値」とし、当該基準値以上増加させる目標値(「1人あたり給与支給総額目標値」)を設定し、達成すること。」(※原文は表の形で組まれています。引用に当たり「/」で区切りました。)
返還額については、同じ欄の「(補助金返還額)」が、こう定めています。
引用(同別紙3「(補助金返還額)」。同規程12頁)「①②の目標値に対する未達成率を算定し、達成度の高い目標値の未達成率を交付した補助金額に乗じた額」
確かに「従業員……及び役員それぞれの」と書かれています。しかし、①の中で従業員と役員のどちらの達成率を採るのかは、どこにも定められていません。定められているのは、①と②を比べるときに「達成度の高い目標値」を採るということだけです。
公式の説明の建て方を、もう一度見てください。①と②の比較では「高い方」を採る。これは規程どおりで、事業者に有利な方向です。ところが、従業員と役員の比較では「低い方」を採る。こちらは規程に根拠がなく、事業者に不利な方向です。同じ文書の中で、根拠のある比較は規程どおりに、根拠のない比較は事業者に不利な側へ揃えていることになります。
補助金適正化法は、交付決定に附する条件について、限界を定めています。
引用(補助金適正化法7条4項)「補助金等の交付の決定に附する条件は、公正なものでなければならず、いやしくも補助金等の交付の目的を達成するため必要な限度をこえて不当に補助事業者等に対し干渉をするようなものであつてはならない。」
「公正なものでなければならず」という定めです。規程に定めのない比較の向きを、一方向にだけ事業者の不利に揃える取扱いについては、同項の公正との関係で検討の余地があると考えております。また、交付主体が自ら公表した仕組みに拘束されるという考え方は、裁判例にもあらわれています。採択(交付内定)の審査を尊重する仕組みを自ら設けた以上、その後の不交付は、その仕組みを踏まえてもなお交付しないことを相当とする合理的理由がある場合に限られるとした東京地判令和3年6月21日(コラムで紹介しています)です。交付規程と公募要領で返還額の算定を公表した以上、その算定を超える返還を、別の文書の計算例で求めることには、同じ疑問が向きます。
なお、交付規程の条項がそのまま補助条件に取り込まれているかどうかという、別の見方もあります。この見方は、Q&A「交付規程に違反したと言われたら」で述べています。もっとも、ここで申し上げているのは、規程に書かれていないことを求められている、という向きの話です。規程に書かれていることよりも重い負担を、規程以外の文書で課せるかという問題ですから、交付規程の効力をどう見るかにかかわらず、同じ結論になると考えております。
5 どの版の別紙3が当たるのかは、採択の時期で決まります――そして「834万円」の端数
では、自社にはどちらの別紙3が当たるのか。交付規程(23次)の附則が、これを定めています。
引用(同交付規程(23次)附則(令和8年8月5日施行分)2条。同規程6頁)「別紙3については、本規程の適用日以前に採択された事業についは、従前のとおりとする。」(※原文のとおりです。「事業についは」という表記も原文のままです。)
別紙3だけは、規程の適用日以前に採択された事業については従前のとおり、とされています。ですから、まず確かめるのは、自社の事業がどの締切回で採択されたものなのか、そしてそれに対応する版の別紙3に何が書かれているのか、という二点です。23次の事業であれば、役員の達成率は要件に入りません。19次から22次までの事業であれば、役員の要件は入りますが、その中で「低い方を採用する」という定めはありません。いずれの場合も、前記1の計算例のとおりに返還額が決まるわけではないということになります。
最後に、金額の小さい話ですが、見過ごせない点を一つ挙げます。前記1で引いた15頁No.7の「2,500万円×(1年/3年)=834万円の返還」です。この場合の算式は、交付規程別紙3(同規程12頁)が「交付した補助金額を事業計画期間の年数で除した額」、公募要領18頁と手引き24頁(PDF25頁)が「補助金返還額=補助金交付額/事業計画期間の年数(年)」と定めています。2,500万円÷3年は、833万3,333円です。公式の例は834万円としており、式より6,667円多くなっています。金額そのものは小さいものですが、算式が公表されているのに、その算式どおりに計算していないという点に意味があります。計算例は、算式の代わりにはなりません。
次のような場合は、納付に応じられる前にご相談ください
- 事業化状況報告の後に、役員の給与の達成率を根拠とする返還額を示された
- 従業員1人あたり給与支給総額は目標を達成しているのに、返還を求められている
- 計画の段階で「役員報酬も上げなければ返還になる」と説明され、計画の作り直しを検討している
6 公式の説明は、一方当事者の見解です
中小機構・中小企業庁・全国中小企業団体中央会・各事務局の説明は、公正な第三者による解説ではなく、補助金をめぐる紛争の一方当事者の見解です。通説が説いていない立場を強く主張しているものもあります。公式の説明だからと鵜呑みにするのは非常に危険です。
本件について申し上げれば、次のとおりです。23次の交付規程別紙3が定める賃金の増加要件は、「企業全体における従業員1人あたり給与支給総額」の一本だけです。公募要領14頁は「役員報酬……は除く」と明記し、手引き23頁の算式も「1 人あたり給与支給総額」だけで組まれています。報告項目の表にも、役員の給与の欄はありません。それにもかかわらず、「よくあるご質問」13頁以下は、役員の達成率を採って返還額を決める計算例を7問、更新履歴欄を空欄のまま残しています。同じ文書の10頁には、2026年3月31日の修正として「23次からは従業員1人あたり給与支給総額のみとなり、 役員報酬・役員賞与は除いて算定します。」という注が入っています。
もっとも、ここで申し上げているのは、報告をしなくてよいということではありません。事業化状況報告の義務そのものは、交付規程が定めるものです。報告を出さないことの危うさは、Q&A「事業化状況報告を出していないと言われたら」で述べています。申し上げているのは、示された金額が交付規程と公募要領の定めから出てくるものなのかを、ご自身で確かめられるということです。公式の文書に書かれているからといって、その金額が正しいとは限りません。
7 返還額を示されたときに、確かめる四つのこと
数字を受け取ってから納付までの間に、順番に確かめていただきたいことを挙げます。
- (1)どの締切回で採択された事業かを確かめ、それに対応する版の別紙3を手元に置く。交付規程(23次)附則2条は、別紙3については規程の適用日以前に採択された事業は従前のとおりとしています。版が違えば、要件の数も、判定の対象も違います。採択通知と交付決定通知書で締切回を確かめ、その時期に適用される交付規程の別紙3を印刷して、要件の文言を一語ずつ読んでください。
- (2)示された金額を、公表されている算式に自分で当てはめ直す。賃金の増加要件が未達の場合の算式は、公募要領18頁と手引き23頁が「補助金返還額=補助金交付額×(1-(事業計画期間最終年度における1 人あたり給与支給総額の年平均成長率(%)/1 人あたり給与支給総額目標値(%)))」としています。事業所内最低賃金水準要件が未達の場合は「補助金返還額=補助金交付額/事業計画期間の年数(年)」です。計算例ではなく、この算式に当てはめます。端数の処理で差が出ることもあります。
- (3)役員の給与の数値が算定に使われていないかを見る。23次の事業について、役員報酬・役員賞与を含めた数値で達成率が計算されていれば、公募要領14頁の定義と合いません。19次から22次までの事業についても、従業員と役員のうち「低い方」を採った計算であれば、その採り方がどの条項に基づくものかを、文書で示していただくよう求めてください。口頭の説明ではなく、条項の番号で確かめることが要になります。
- (4)免除要件に当たらないかを、同じ別紙3で確かめる。別紙3は、賃金の増加要件について「付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として事業計画期間の過半数が営業利益赤字の場合」「天災など事業者の責めに負わない理由がある場合」「再生事業者である場合」を免除要件として掲げています。返還額の計算に入る前に、そもそも返還を求められない場合に当たらないかを見てください。付加価値額の目標との関係は、Q&A「付加価値額等の目標に届かなかったとき」で述べています。
そのうえで、示された金額が算式から出てこないのであれば、どの条項に基づく金額なのかを書面で確かめることになります。納付をしてしまった後に取り戻すのは、はるかに難しくなります。返納を求められた場面での動き方の全体は、「返還・残存簿価の返納を求められたら」にまとめています。
事業化状況報告の後に返還額を示された事業者の方、従業員1人あたり給与支給総額は目標を達成しているのに役員の給与を理由に返還を求められている方、計画の段階で「役員報酬も上げなければ返還になる」と説明されている方、顧問先・支援先からこのようなご相談を受けている中小企業診断士・行政書士・税理士の先生方は、納付に応じられる前にご相談ください。採択通知、交付決定通知書、該当する締切回の交付規程別紙3、事務局から届いた計算の内訳があれば、示された金額が公表された算式から出てくるものかどうかを具体的に検討できます。
根拠(条文・公式資料・裁判例)
- 補助金適正化法7条4項(補助金等の交付の決定に附する条件は、公正なものでなければならず、いやしくも補助金等の交付の目的を達成するため必要な限度をこえて不当に補助事業者等に対し干渉をするようなものであつてはならない)
- 補助金適正化法7条1項(各省各庁の長は、補助金等の交付の決定をする場合において、法令及び予算で定める補助金等の交付の目的を達成するため必要があるときは、条件を附するものとする)
- 補助金適正化法17条1項(補助事業者等が、補助金等の他の用途への使用をし、その他補助事業等に関して補助金等の交付の決定の内容又はこれに附した条件その他法令若しくはこれに基く各省各庁の長の処分に違反したときは、補助金等の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができる)
- 補助金適正化法18条1項(交付の決定を取り消した場合の返還命令)、同条2項(額の確定の結果すでにその額をこえる補助金等が交付されているときの返還命令)
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金交付規程(23次。全国中小企業団体中央会。掲載日 令和8年8月7日。2026年10月23日閲覧)25条(全国中央会は、様式第13による報告書により、補助事業者が別紙3の基本要件に係る返還要件に該当することを確認したときは、補助金の返還を求めることができるものとする。ただし、免除要件に該当する場合は返還を求めない)〔同規程6頁〕、附則(令和8年8月5日施行分)2条(別紙3については、本規程の適用日以前に採択された事業についは、従前のとおりとする。原文のとおり)〔同規程6頁〕、別紙3〔同規程12頁〕(賃金の増加要件の基本要件を「①1人あたり給与支給総額 企業全体における従業員1人あたり給与支給総額について、事業実施都道府県における最低賃金の直近5 年間の年平均成長率を「1人あたり給与支給総額基準値」とし、当該基準値以上増加させる目標値(「1人あたり給与支給総額目標値」)を設定し、達成すること。」の一本のみとし、補助金返還額を「目標値に対する未達成率を算定し、未達成率を交付した補助金額に乗じた額」とするもの。免除要件として、付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として事業計画期間の過半数が営業利益赤字の場合、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合、再生事業者である場合を掲げる。事業所内最低賃金水準要件の返還額は「交付した補助金額を事業計画期間の年数で除した額」。特例措置(25条の2)の欄も「企業全体における従業員1 人あたり給与支給総額」とし、役員を含まない)
- 同交付規程(19次から。掲載日 令和7年2月28日。2026年10月23日閲覧)別紙3〔同規程12頁〕(賃金の増加要件を「①又は②の要件を達成すること。」とし、①給与支給総額を「企業全体における従業員(非常勤を含む。以下同じ。)及び役員それぞれの給与支給総額について、年平均成長率2.0%を「給与支給総額基準値」とし……」、②1 人あたり給与支給総額を「企業全体における従業員及び役員それぞれの1人あたり給与支給総額について……」とし、補助金返還額を「①②の目標値に対する未達成率を算定し、達成度の高い目標値の未達成率を交付した補助金額に乗じた額」とするもの。①の中で従業員と役員のいずれの達成率を採るかについての定めは置かれていない)
- 同補助金「公募要領(第23次公募)」(掲載日 令和8年2月6日。2026年10月23日閲覧)14頁(PDF19頁。「基本要件②:賃金の増加要件」。「1 人あたり給与支給総額とは、従業員に支払った給与等(給料、賃金、賞与等は含み、役員報酬、福利厚生費や法定福利費、退職金は除く) を従業員数で除したものをいいます。」)、18頁(PDF23頁。「2.6 補助対象要件未達の場合の補助金返還義務」。「補助金返還額=補助金交付額×(1-(事業計画期間最終年度における1 人あたり給与支給総額の年平均成長率(%)/1 人あたり給与支給総額目標値(%)))」、事業所内最低賃金水準要件が未達の場合は「補助金返還額=補助金交付額/事業計画期間の年数(年)」)
- 同補助金「補助事業の手引き(23次締切)」(掲載日 令和8年8月7日。2026年10月23日閲覧)22頁(PDF24頁。事業化状況・知的財産権等報告書の報告項目の表。「3. 1 人あたり給与支給総額」「4.事業所内最低賃金」の二つだけで、役員の給与を報告させる項目は置かれていない)、23〜24頁(PDF24〜25頁。「3.補助金返還(交付規程第25条)」。返還額の算式が公募要領18頁と同文であるもの)
- 同補助金「よくあるご質問」(一覧ページに「最終更新日:令和8年3月31日(火)」と表示。2026年10月23日閲覧)13頁(「4.補助金返還義務について」No.1。「返還額は、給与支給総額と一人当たり給与支給総額のそれぞれについて、従業員又は役員の達成率を見てその低い方を採用し……」、No.3の例2「ステップ1:給与支給総額の低い方 = 役員の70%」「ステップ3:補助金交付額×(100%-80%)= 20%返還」)、14頁(No.4〜No.6の例3・例4・具体的な計算)、15頁(No.7。「2,500万円×(1年/3年)=834万円の返還」)。4節No.1〜No.7の更新履歴欄はいずれも空欄である。10頁(「3.補助対象要件について」No.7。更新履歴欄「2026/3/31修正」。「【注】23次からは従業員1人あたり給与支給総額のみとなり、 役員報酬・役員賞与は除いて算定します。」「(※23次公募からは「従業員に対して支払った給与」のみを対象としており、後述の達成条件では「従業員1人あたりの給与支給総額」のみで判断します。役員報酬・役員賞与は対象外です)」)、11頁(同No.11。特例について「従業員及び役員の給与支給総額の年平均成長率を+6.0%以上増加させる」とするもの)、12頁(同No.12。「給与支給総額は、従業員に支払った給料、賃金、賞与、及び役員の報酬等の合計です。」)
- 東京地判令和3年6月21日(判時2511号5頁。交付内定の審査を尊重する仕組みを自ら設けた以上、交付申請に対する不交付決定はその仕組みを踏まえてもなお交付しないことを相当とする合理的理由がある場合に限られるとしたもの。控訴審・上告審の帰趨を含め、コラム「採択(交付内定)を受けた後に「交付しない」と言われたら、争えるのか」で紹介している)
※ 交付規程は補助金ごと・公募回ごとに版が異なります。条数と文言は、お手元の交付決定通知書に記載された交付規程でご確認ください。
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