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弁護士 岸上大起

財産処分の承認を申請したら、残存簿価相当額を納めることになるのか

このページの結論

補助金で導入した設備を廃棄・撤去することになりましたので、財産処分の承認申請を出そうと思っています。承認を受けると、残存簿価相当額を国に納めることになるのでしょうか。

国の財産処分取扱基準(平成16・06・10会課第5号)は、財産処分の申請について補助金適正化法22条の承認をする場合には国庫納付条件を付さなければならないとしています(同基準3.(1))。もっとも、同じ基準は、地方公共団体以外の者が行う取壊し・廃棄について、社会経済情勢の変化等により処分制限財産を維持する意義が乏しくなったと認められる場合、又は補助事業者等の資金繰りの悪化等により処分制限財産を維持管理することが困難になったと認められる場合には、国庫納付条件を付さないことができるとも定めています(同基準5.(2)②b)。承認を受けることと残存簿価相当額を納めることとは、基準の上でも一つに結びついてはいないと考えております。

この5.(2)②bは、文言の上では、補助事業者からの申出を要件としておらず、会社全体が赤字であることも要件としていません。問われているのは、その処分制限財産を維持し、又は維持管理し続けることについての事情です。もっとも「付さないことができる」という定め方ですので、当たる事情があることを承認申請の段階で資料とともに示しておくことになると考えております。

執筆 補助金に関する紛争・法律問題を主に取り扱う弁護士 岸上 大起(埼玉弁護士会・登録番号63780)

1 言われていることの順番を分ける

補助金で導入した設備を廃棄・撤去することになり、財産処分の承認申請を出そうとするとき、「申請を出した時点で納付が決まってしまうのではないか」という迷いが生まれます。この迷いは、承認の手続と、納付の条件とが一つのものとして示されることから生まれています。条文の順番で分けると、次のようになります。

まず、法律です。補助金適正化法22条は、次のように定めています。

引用(補助金適正化法22条)「補助事業者等は、補助事業等により取得し、又は効用の増加した政令で定める財産を、各省各庁の長の承認を受けないで、補助金等の交付の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保に供してはならない。ただし、政令で定める場合は、この限りでない。」

ここに書かれているのは、承認を受けないで一定の処分をしてはならない、ということだけです。承認を受けたらいくら納めなさい、という定めは、22条にはありません。

次に、交付規程です。以下、交付規程の条数と文言は、中小企業等事業再構築促進補助金(新市場進出)交付規程(令和3年6月15日規程令3第13号。令和7年6月30日施行の改正までのもの)のものです。交付規程の条番号は補助金ごと・版ごとに違いますので、お手元の補助金の交付規程で読み替えてご覧ください。

引用(中小企業等事業再構築促進補助金(新市場進出)交付規程24条3項)「補助事業者は、前項の規定により定められた期間内において、処分制限財産を処分しようとするときは、あらかじめ様式第12-1による承認申請書を中小機構に提出し、その承認を受けなければならない。」
引用(同交付規程24条6項)「中小機構は、補助事業者が処分制限財産を処分するときは、様式第12-5による納付通知書により、当該処分制限財産に係る補助金額を限度として、納付させることができるものとし、補助事業者は当該納付命令にしたがって納付しなければならない。なお、当該処分については、補助事業等により取得し又は効用の増加した財産の処分等の取扱いについて(平成16・6・10会課第5号)の各規定を踏まえ取り扱うものとする。」

承認は3項、納付は6項です。条文の上では別の項に書かれており、しかも6項は「納付させることができる」という定め方をしています。

そして、その納付の中身を定めているのが、6項が名前を挙げて参照している国の取扱いです。「補助事業等により取得し又は効用の増加した財産の処分等の取扱いについて」(平成16・06・10会課第5号。経済産業省大臣官房会計課。最終改正令和元年5月7日)といいます。このページでは、以下「取扱基準」と呼びます。

承認(交付規程24条3項)と、納付(同条6項と取扱基準)とは、別のことです。このページでは、取扱基準が納付について何を定めているのかを、原本の項番で追います。

2 国庫納付は、承認に付される「条件」です

取扱基準は、承認をするときの原則を、次のように定めています。

引用(取扱基準3.(1))「補助事業者等からの財産処分の申請について補助金適正化法第22条の承認をする場合には、本取扱い4.で定める金額を国庫に納付する旨の条件(以下「国庫納付条件」という。)を付さなければならない。」
出典:経済産業省「補助事業等により取得し、又は効用の増加した財産に関する通達等」(大臣官房会計課)

読み落としやすいのは、「条件」という言葉です。納付の義務は、法律の規定からそのまま生じるのではなく、承認に条件が付されることによって生じる、という組み立てになっています。

この組み立ては、文献の説明とも一致しています。文献は、22条の承認について、次のように述べています。

引用(小滝敏之『補助金適正化法解説〔全訂新版(増補第2版)〕-補助金行政の法理と実務-』302頁(株式会社全国会計職員協会、2016))「これらの承認をなすにあたって交付行政庁は、当該承認が独立の行政行為であるところから、例えば「補助金等の全部又は一部に相当する金額を国に納付すること」等の条件を付すことも可能である。」

同書は、この承認について、取得財産の補助目的外処分の承認は禁止の解除の効果をもつ行政行為であり、講学上の許可に相当するものといいうる、とも述べています(同304頁注(12))。付すことが「可能である」と書かれているのであって、法律が納付の義務を直接に定めているわけではありません。交付規程24条6項が「納付させることができるものとし」と定めているのも、同じ組み立てによるものと考えております。

条件の中身――いくらになるのか

取扱基準は、4.で国庫納付額の算定を定めています。取壊し・廃棄の場合は、次のとおりです。

引用(取扱基準4.(2))「転用、無償譲渡、無償貸付け、交換、取壊し又は廃棄の場合の国庫納付額は、残存簿価相当額に補助率を乗じて得た額とする。ただし、鑑定評価を行う場合には、鑑定評価額に補助率を乗じた金額と前記の金額で高い方とする。」

有償で譲渡し、又は貸し付けた場合は4.(1)により、処分制限財産に係る補助金額を上限として、譲渡額又は貸付額に補助率を乗じて得た額とされます。担保に供する処分における担保権実行時は、4.(3)により、有償譲渡の場合と同じ額とされます。補助率は、4.(1)が「補助金交付額が事業額に占める割合その他の適切な比率」と定義しています。

つまり、「残存簿価相当額」がそのまま納付額になるのではなく、これに補助率を乗じた額が上限の枠内で求められる、という組み立てです。この算定を財産ごとにどう当てはめるのか、算定根拠をどう求めるのかは、コラム「補助事業を続けられないとき――手続の順番、返還額の計算、返還が生じない選択肢」で詳しく述べていますので、ここでは繰り返しません。

3 取扱基準は、国庫納付条件を付さない場合も定めています

3.(1)が原則であることは、基準自身が、その前の1.で説明しています。

引用(取扱基準1.(2))「しかしながら、社会経済情勢の変化や補助事業者等自身における事情の変更により、処分制限財産の補助金等の交付の目的に反する使用、譲渡、交換、貸付け、担保に供する処分その他の処分(以下「財産処分」という。)をすることについて、補助金適正化法第22条の承認をした方が補助金等の交付目的に資する、又は処分制限財産の有効活用に寄与すると認められる場合がある。」

取扱基準は、「社会経済情勢の変化」と「補助事業者等自身における事情の変更」があることを前提に、承認をした方がよい場合があるという考え方から作られたものです。3.(1)だけを読むと「承認=納付」と見えますが、基準はそこで終わっていません。

5.(1)――報告書で足り、国庫納付も求めない場合

引用(取扱基準5.(1)柱書)「次に掲げる財産処分に該当する場合には、財産処分の承認申請手続にかかわらず、別紙様式1(以下「報告書」という。)を大臣等に提出することによって、補助金適正化法第22条の承認を受けたものとみなし、国庫納付は求めないこととする。ただし、報告書において記載事項の不備など必要な要件が具備されていない場合は、この限りでない。」
引用(取扱基準5.(1)②)「災害又は火災(補助事業者等の責めに帰することのできない事由による場合に限る。)により使用できなくなった場合若しくは立地上又は構造上危険な状態にある場合の取壊し又は廃棄(以下「取壊し等」という。)。」

この②を、交付規程の次の条項と並べてご覧ください。

引用(同交付規程24条5項)「補助事業者は、処分制限財産が災害又は火災(補助事業者等の責めに帰すことができない事由による場合に限る。)により使用できなくなった場合若しくは立地上又は構造上危険な状態にある場合の取壊し又は廃棄を行った場合は、第3項の規定にかかわらず、様式第12-4による財産処分報告書を中小機構に提出することにより、財産処分の承認を受けたものとみなすことができるものとする。」

場面の書きぶりは、ほとんど同じです。交付規程24条5項は、取扱基準5.(1)②を受けて書かれたものと読むのが自然であると考えております。

ここで一つ、実務上意味のある差があります。交付規程24条5項は「承認を受けたものとみなすことができる」までしか書いておらず、国庫納付を求めないとは書いていません。その部分を定めているのは、取扱基準5.(1)の柱書のほうです。報告書による承認みなしの場面で国庫納付が求められないことは、交付規程だけを読んでも出てきません。基準の側で読むことになると考えております。

5.(2)――国庫納付条件を付さないことができる場合

引用(取扱基準5.(2)柱書)「次に掲げる財産処分の承認に当たっては、本取扱いで定める国庫納付条件を付さないことができる。」

5.(1)が「報告書で足りる(=承認申請の手続自体を省く)」場面であるのに対し、5.(2)は、承認申請をして承認を受ける場面で、その承認に国庫納付条件を付さないことができる、という定めです。承認申請を出す以上は納付が決まる、という読み方は、この5.(2)を読まない読み方であると考えております。

なお、3.(2)は、大臣等が適当であると個別に認める場合には、国庫納付条件に代えて、又は国庫納付条件と併せて、処分制限期間中に新たな財産処分を行う場合に交付要綱に基づき大臣等の承認を得る旨の条件(再処分条件)を付すことができるとしています。その注※1は、国庫納付条件に代えて再処分条件を付すものとして、補助目的たる事業を第三者に遂行させるための譲渡等が考えられる、としています。事業を引き継いでもらう場面の扱いは、Q&A「補助事業を事業譲渡したら、補助金の返還や罰則の対象になるのか」で述べています。

4 地方公共団体以外の者が行う取壊し・廃棄――基準5.(2)②

5.(2)は、①で地方公共団体が行う財産処分を、②でそれ以外の者が行う財産処分を定めています。会社・個人事業の方に当たるのは、②です。

引用(取扱基準5.(2)②柱書・a・b)「② 地方公共団体以外の者が行う財産処分であって、次のいずれかに該当するもの。
a.5.(2)① a.又はb.に該当する財産処分。
b.社会経済情勢の変化等により処分制限財産を維持する意義が乏しくなった、又は補助事業者等の資金繰りの悪化等により処分制限財産を維持管理することが困難になったと認められる場合の取壊し等。」

まず、用語を確かめます。ここにいう「取壊し等」は、5.(1)②が「取壊し又は廃棄」と定義したものです。そして、取壊しと廃棄が何を指すかは、基準2.(1)が定義しています。

引用(取扱基準2.(1))「取壊し:処分制限財産(施設(土地を含む。以下同じ。)に限る。)の使用を止め、取り壊すこと。
廃棄:処分制限財産(設備に限る。)の使用を止め、廃棄処分すること。」

施設を取り壊す場合も、設備を廃棄する場合も、「取壊し等」に含まれます。5.(2)②は、設備の廃棄にも及ぶ定めです。

aが引いている5.(2)①a・b

aは、地方公共団体について定められた5.(2)①のaとbを、そのまま地方公共団体以外の者にも及ぼしています。その中身は、次のとおりです。

引用(取扱基準5.(2)①a・b)「a.道路の拡張整備その他の補助事業者等の責めに帰することのできない事由によるやむを得ない取壊し等(相当の補償を得ているものの、代替施設を整備しない場合を除く。)。
b.老朽化により代替施設を整備する場合の取壊し等。」

bにご注目ください。老朽化した設備を廃棄し、代わりの設備を整備する場合です。会社が自分の事業を続けるために設備を入れ替える場面が、国庫納付条件を付さないことができる場合として、基準に書かれています。設備の入替えを検討しておられる場合には、この定めに当たらないかを先に確かめておくことになると考えております。

bが定めている二つの場合

bは、二つの場合を並べています。一つは、社会経済情勢の変化等により処分制限財産を維持する意義が乏しくなったと認められる場合。もう一つは、補助事業者等の資金繰りの悪化等により処分制限財産を維持管理することが困難になったと認められる場合です。

この定めが、何を要件としていないか

ここから先は、当職の私見です。

第一に、取扱基準は、5.(2)の柱書で「次に掲げる財産処分の承認に当たっては」と定めています。承認に当たって承認をする側が検討すべき事項として置かれており、補助事業者からの申出があることを要件とする文言にはなっていないと考えております。申出がなければ検討しない、という読み方を支える文言は、基準の中に見当たりません。

第二に、bが掲げているのは、「処分制限財産を維持する意義」が乏しくなったこと、又は「処分制限財産を維持管理すること」が困難になったことです。いずれも、その財産について書かれています。会社全体が赤字であること、債務超過であることを要件とする文言は置かれていないと考えております。資金繰りの悪化「等」により、その財産を維持管理し続けることが困難になったと認められるかどうかが問われているものと読む余地があります。

第三に、bは、補助事業者等の責めに帰することのできない事由によることを要件としていません。責めに帰することのできない事由は、同じ5.(2)①aに別に書かれています。基準は、この二つを別の号として書き分けていますので、bに当たるために責めに帰することのできない事由まで示さなければならない、と読む必要はないと考える余地があります。

もっとも、5.(2)は「付さないことができる」という定め方であり、付さないことが義務とされているわけではありません。事業者の側としては、この定めに当たる事情があることを、承認申請の段階で、資料とともに示しておくことになると考えております。承認をする側が事情を知らなければ、判断の材料がないからです。

次のような場合は、申請書をお出しになる前にご相談ください

  • 財産処分の承認申請を出すよう言われているが、申請を出すと納付が決まってしまうのではないかと迷っている
  • 承認の通知に国庫納付の条件が付され、残存簿価相当額の納付を求められている
  • 老朽化した設備を入れ替えたい、又は事業の継続が難しく設備を廃棄したい
いまの状況を相談する →お電話:070-3618-5126(受付:平日10:00〜18:00、出られないときは折り返します)

関連ページ: 残存簿価相当額の納付を求められたら(コラム)/補助事業を続けられないとき――手続の順番、返還額の計算、返還が生じない選択肢(コラム)

5 この基準は、事業再構築補助金にどこまで及ぶのか

ここは、留保を申し上げておかなければならないところです。

取扱基準は、経済産業大臣(補助金適正化法26条の規定により事務を委任されている者を含み、基準では「大臣等」といいます。)が補助金適正化法22条の承認をするための基準等の取扱いを定めたものです(基準1.(2))。経済産業省の内部の通達であり、事業者に直接の権利を与えるものではありません。

他方、事業再構築補助金は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が同機構法15条1項6号に基づいて交付する助成金であり、補助金適正化法は中小機構法16条の準用によって及んでいます。基準にいう「大臣等」に中小機構が当然に含まれるかどうかは、基準の文言からは明らかではありません。

それでも、この基準が事業再構築補助金の財産処分の取扱いの前提に置かれていることは、交付規程の側から読み取ることができます。理由は二つあります。

一つは、前記1に引いたとおり、交付規程24条6項が、納付について定めたうえで、「なお、当該処分については、補助事業等により取得し又は効用の増加した財産の処分等の取扱いについて(平成16・6・10会課第5号)の各規定を踏まえ取り扱うものとする」と定めていることです。交付規程自身が、この基準の名前を挙げて参照しています。

もう一つは、前記3に並べたとおり、交付規程24条5項が、基準5.(1)②とほとんど同じ文言で書かれていることです。交付規程が取扱基準を踏まえて作られていることの現れであると考えております。

そうしますと、同じ基準のうち、3.(1)(国庫納付条件を付さなければならない)だけを採り、5.(1)・5.(2)(国庫納付は求めない/国庫納付条件を付さないことができる)を採らないという取扱いには、基準の文言の上で理由を見出しにくいと考える余地があります。交付規程24条6項が参照しているのは、基準の「各規定」であって、原則を定めた規定だけではないからです。交付主体から、基準の原則の部分だけを根拠として納付を求められた場合には、5.(2)②の検討がされたのかどうかを、書面で確かめておく余地があると考えております。

もっとも、これはあくまで当職の私見です。取扱基準は行政内部の通達ですので、「基準にこう書いてあるから納付しなくてよい」と言い切れる性質のものではありません。承認に当たって考慮されるべき事項が公にされているもの、という位置づけで用いることになると考えております。交付規程や内部の基準が補助条件に取り込まれているかどうかという見方そのものは、Q&A「交付規程に違反したと言われたら」で述べています。

6 承認申請を出す前に、そろえておくもの

承認申請(様式第12-1)をお出しになる前に、次のものをそろえておいていただくと、検討が早く進みます。

  • 取得財産等管理台帳(様式第7)。財産ごとの区分・財産名・単価・取得年月日と、処分制限期間が記載されています。まず確かめていただきたいのは、その財産の処分制限期間が既に経過していないかです。経過していれば、そもそも補助金適正化法22条の処分の制限は及びません(補助金適正化法施行令14条1項2号)。期間の数え方は、コラム処分制限期間は何年かと、Q&A「事業再構築補助金は5年たてば自由に処分できるのか」で述べています。
  • 処分の態様が、基準2.(1)のどれに当たるのか。取壊しなのか、廃棄なのか、譲渡なのかで、納付額の算定も、当てはまる例外の定めも変わります。申請書の処分方法の欄をどう書くかは、後から効いてきます。
  • 5.(2)②bに当たる事情を示す資料。社会経済情勢の変化によるものであれば、その財産を用いる事業の需要の推移が分かるもの。資金繰りの悪化によるものであれば、その財産を維持管理するために現に要している費用と、それを負担し続けることが難しい事情が分かるものです。
  • 老朽化により代わりの設備・施設を整備される場合は、その計画(基準5.(2)①b・②a)。入れ替える設備・施設が分かるものを添えます。
  • 災害・火災・危険な状態による取壊し・廃棄の場合は、承認申請ではなく、様式第12-4による財産処分報告書によることになります(交付規程24条5項、基準5.(1)②)。この場合、基準5.(1)の柱書により、国庫納付は求められないことになります。

そのうえで、承認申請書には、処分の理由を書く欄があります。基準5.(2)②のどの定めに当たると考えるのかを、事情とあわせて書き添えておくことになると考えております。

承認の通知(様式第12-2)を受け取られたときは、国庫納付の条件が付されているかどうかと、付されている場合のその根拠として何が書かれているかを確かめてください。条件が付された承認をどう争うことになるのかは、コラム「残存簿価相当額の納付を求められたら」で述べています。争う場合には期間の制約が生じますので、通知を受け取られた段階で早めにご検討いただくのがよいと考えております。

事業そのものをやめる、又は縮小する場面の手続の順番は、Q&A「補助事業を途中でやめたい・縮小したいとき」と、自主返納の求めのページで述べています。設備を取り外して手元に置いている段階の扱いは、Q&A「取り外して保管している設備――管理義務に反すると言われたら」で述べています。

財産処分の承認申請を出すかどうかを迷っておられる事業者の方、承認の通知に国庫納付の条件が付されて納付を求められている方、顧問先・支援先からこのようなご相談を受けている中小企業診断士・行政書士・税理士の先生方は、申請書をお出しになる前、また納付に応じられる前にご相談ください。交付決定通知書、交付規程、取得財産等管理台帳(様式第7)、交付主体から受け取った書面があれば、具体的な検討ができます。

根拠(条文・公式資料・裁判例)

※ 交付規程は補助金ごと・公募回ごとに版が異なります。条数と文言は、お手元の交付決定通知書に記載された交付規程でご確認ください。

関連ページ

※ 本ページは一般的な法的整理を示すものであり、個別の事案についての結論を保証するものではありません。

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